松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



桜餅、スタートしました。


桜餅、今年もお店に並べております。

西伊豆は桜葉の塩漬けの一大産地です。もちろん松屋長春の桜葉は伊豆産のものを使用しております。

それもサイズはMLという中途半端な設定ながらもジャストサイズなものを選定して作ってもらっています。


大きく首を縦に振る事ができるような、素晴らしい桜葉に仕上がっています。


松屋長春は20年ほど前から桜葉を二枚使用するオリジナルスタイルに変わりました。

この桜餅のスタイルが私には一番上品に映り、作っていても納得がいく桜餅の姿だと思っています。

上下からの桜葉が桜餅自体に香りとほんの少しの塩気を移します。この香りと塩気が桜餅の良さでもあるのです。

松屋長春の桜餅はお正月過ぎ早々にお店に並びます。早出しジャンケンのようですが、これが父の流儀なのです。

春に満開を迎え、私たちを桜並木の小径にいざなってくれる桜を一足先に感じていただけましたらと思います。

安田美沙子さん

安田美沙子さん、料理家の真藤舞衣子さんがお店へ来て下さいました。

安田さんのヘアメイクを担当している私の友人がお二人を連れてきてくれたのです。


安田さんにお会いするのは今回で2回目でしたが、変わらず気さくで笑顔の素敵な方。
もともとファンでしたが、より心酔してしまいました。

また料理家の真藤さんからは鮎のコンフィの作り方を懇切丁寧に教わりました。

夏に友人から天然の鮎をもらい冷凍庫に保存してあるものがあるので早速今度作ってみようと思っています。


天にも昇る心地とはこの事を言うのでしょうか。

幸せな時間でした。

86年前の木型

本日はこなし製の生菓子のご紹介です。


こなし製で中はこしあん。

包あんして木型の模様を反転させて仕上げています。木型の梅模様が広いため、場所を変えて一つ一つが違った雰囲気になるように考えてつくっています。

つくった菓子がのっている木型は創業者である祖父が開店当時に発注した木型です。

とても硬い木(おそらく樫か桜だと思います)を使っているので目がしっかり詰まっていてどっしりと重く、この先何十年と使い続けても全くへたりそうもありません。

このような素晴らしい道具を多く残してくれた祖父には感謝の気持ちしかありません。やっと今、そのありがたみが本当の意味でわかったのだと思っております。

もう一つ書き加えておかなければならないのは、この木型をつくる彫り師の方々の事です。現在、聞くところによりますと全国津々浦々を探してもほんの数人しかいらっしゃらないそうで、この先こうした素晴らしい技術をどうやって引き継いでいくのかを真剣に考えなければならない大切な時を迎えていると思っています。また、ゆっくりじっくりと長い年月を経て大きくなった硬い木を探すのも困難であります。

解決の道を探すのがとても困難な問題が山積しています。

私の和菓子職人としての役割は今となっては希少となってしまった木型の事を広くご紹介し、その大切さを唱えることだと思います。

また後世へ道具を大事に引き継いでいく事が祖父のためにも、魂を込めて木型を彫って下さった彫り師の方々にも一番ではないかと考えています。