松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



トゥルーブルー

私は誕生日を11月の終わり間際に迎えます。

小さな時分からうちのお店はその時期はとても忙しく、なかなかゆっくり誕生日を祝ってもらえなかった覚えがあります。また、春休みや冬休みも繁忙期であったため、どこかへ家族揃って出かける事もありませんでした。

私は休みの日には決まって弟を連れて、お店に迷惑をかけないようにと外へ出かけた思い出ばかりです。

しかし、そのような環境のおかげで弟たちとの絆はより深まりました。今でも弟たちとはとてもいい関係でいられるのはそのようなおかげがあってのものだったのではないかと思っています。

長女の誕生日は今日、5月3日です。朝一番にメールと電話で家族一同祝福のシャワーを東京に住む娘に浴びせたところです。

次女の誕生日も4月26日と繁忙期。三女だけは7月18日と真夏なのでゆっくりお祝いしてやる事が出来ます。

時代は巡り巡るもので、娘たちも私たち男三人兄弟と同じく、お互いの絆が深まっていることを近くにいる私にもそれがよく伝わってきます。

話は飛ぶようでありますが、若かりし頃によく聴いたマドンナの曲にトゥルーブルーがあります。



今、聴いてみてもとても心がウキウキして時代の古さを全く感じさせない艶やかさがあり、中年になった私にも変わらず幸せをもたらせてくれる名曲です。

この頃の大スターにはマドンナの他、マイケル ジャクソンやプリンスがいましたが、やはり皆それぞれの素晴らしさがあり、今となっても色褪せない大スターには違いありません。



観世水の図案の焼印を押したトゥルーブルー、いやピュアブルーと例えた方がいいのでしょうか。鮮やかで控えめな色合いで仕上げた羽二重餅製の生菓子を本日からお店に並べました。

この和菓子を手がけた際に、先程お話しましたマドンナの名曲と私の中で完全に繋がりましたので、この文を書き上げた次第です。

昔の小さな頃のピュアな思い出。それは、色で例えるとやはり優しいブルーなのです。

トゥルーブルー。そう、名付けてお店に並べたいのが本心ではありますが、和菓子屋の伝統はこのまま守り、しっかりとした和の銘でお出しすることにいたします。