松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



二度目のサヨウナラ

私は祖母の事をよしこさん。思いっきりの愛を込めてそう呼んでいました。

それはとてもとても穏やかで優しく、その人柄が体型にもそのまま表れていて、私は本当に大好きなおばあちゃんでした。

昔の松屋長春にはお店の中に火鉢がありました。


よしこさんはいつもこの火鉢のまわりにいて、タバコを気持ちよさそうに吹かしながら店番をしていました。

今朝、配達をした時にふとその火鉢の事が頭をよぎり、久しぶりによしこさんの顔、声、私に話してくれた色んな事が走馬灯のように私の中を駆け巡りました。

今でも鮮明に覚えていますが、亡くなる一か月前ほどに自分の意識が無くなっていくのを悟ったのか、私たち兄弟を一人一人呼び、最後のお話をしてくれました。

私はよしこさんの怒ったところ、そして泣いたところは一度も見た事がありませんでしたが、話せないほどの嗚咽を漏らしたおばあちゃんを初めて見て胸が張り裂けそうになった事を昨日の出来事のように覚えています。

一緒にお風呂に入った事。お昼ご飯を食べに手を繋いでお出かけした事。小さい頃は乳母車でお散歩に私たち兄弟を乗せて歩いてくれた事。誰も知らないオリジナルの鳩ぽっぽの歌を歌ってくれた事。

全部忘れないよ。いつまでも。

配達中にその全てを思い出し、声を上げて思いっきり泣いた次第です。

よしこさん、また会いたいよ。昔のように色んなお話してほしいな。

二度目のサヨウナラだね。