松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



心を強く打つ家族の形 前編

とてもデリケートな事を今回書きます。

なので、正直なところ書こうか非常に迷いましたが私が小さな頃から持っている考えは揺るぎのないものであると自信を持って言えるので書く事にしました。

昨日、火曜日に映画を2本観てきました。

その中の一本です。

焼肉ドラゴン

ちょうど私が生まれた頃の物語です。

朝鮮戦争などを経て路頭に迷った韓国人が異国の地である日本の地でいかに腰を据えて生きて行くかを、時におかしく時に辛く、時に涙しながら私たち観客に強く訴えかけてきます。

再婚の夫婦。お互いの連れ子、そして実子の六人家族が狭いバラック小屋で小さな焼肉屋を営んでいます。

実は私もバラック小屋のとても小さく薄汚い借家で中学三年生まで家族五人で暮らしていました。

これには理由があります。父は婿として松屋長春にやってきたわけでありますが、最初は許されぬ身分でお店に身を置きました。そのため、創業者の祖父からもなかなか認めてもらえず、とても苦労した事を小さいながらにも長男である私は近くで知っていました。父と一緒に泣き、我慢した事を今も鮮明に覚えています。

そんな経験を積んできたので、両親とも仲良くやってこられたのかもしれません。

話は戻りますが、この映画の家族は人種差別という日本においても、また世界でも珍しくない非常に解決し難い高い壁に直面します。その中でいかに辛い局面を明るく乗り越えていくかを教えてくれました。

私にもとても大切な韓国人の友人がいました。兄弟のように仲良くしていましたが、三年ほど前に祖国韓国で亡くなった事を人づてに聞き、胸が張り裂けそうになった事を思い出します。

また、日本には多くの在日韓国人がいます。私の小学校からの友人にも何人かはいます。

また、現在では社会人になってからの友人でとても大事にお付き合いしている在日韓国人のご夫婦がいます。

島国である日本の一番ダメなところかもしれませんが、私は排他的な教育が昔から日本には根強く残っている事が根底にあるのだと思います。それがとても私たち日本人にとって恥ずかしい事であると小さな頃から思っていました。

日本には韓国をはじめ、色々な国の人々が住むようになりました。住むようになりましたというのは昔に比べてです。

日本も昔のままではなく新たな考え、親からの新しい芯の通った教育が必要だとも思いますし、そもそも教えではなく一人ひとりの心そのものがそうでなくてはならない時代になってきているのだと思います。

とても考えさせられる映画でした。それと同時にこの映画の舞台が非常に私の小さい頃の自分の環境と似ているところも多く見受けられ、懐かしくて愛おしく感じた事も事実です。

家族の形は色々あれど、そこにどうやって幸せを見いだすのかが肝心なのです。

私の近所にとても美味しい焼き鳥屋さんがあります。


このお店の奥様はフィリピン人です。毎日忙しい中、子育てとお店の両立に一生懸命です。

彼女もこの映画同様、異国の地に骨を埋める揺るぎない覚悟のもと、日本で幸せに暮らしています。

焼き鳥の串打ちも彼女が手がけるそうですが、どの焼き鳥屋さんよりも丁寧で、その仕事ぶりがいつも私の心を強く打ちます。

私がとても尊敬する家族の形。こんな近くにも垣間見ることができます。

相手を愛し、心を預けることで信頼関係は成り立つのではないでしょうか。

ならば、それが日本人でなくてもそんな関係が容易に築く事が出来ると思います。

簡単に。シンプルに考えていれば、 平和な世界はもっともっと近くにあるものではないでしょうか。

追記

劇中のお母さんの夫や娘たちに対する愛がとても私の心を強く打ちました。自分の子、そうでない子。分け隔てなく大事にするお母さん。溢れんばかりの愛がそこにありました。

また、次女役の井上真央さんの演技が素晴らしかったです。新たな彼女の側面を見る事が出来ました。名女優であると私は思います。