松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



盛夏

表題の盛夏。その名を付けて毎年お店に並べる松屋長春の定番商品です。

音遊びと言いましょうか、「せいか」と「すいか」とを似せて読んでいただくことで、「真夏」と「西瓜」のイメージをより大きく膨らませていただけるようにと名付けました。


軽いタッチの水羊羹風に仕上げております。

もちろん西瓜の香りや味は付いておりません。

和菓子には味や香りがあっていいものと、そうでないものがあると私は常々思っています。例えば一か月先には栗の和菓子がスタートする予定ですが、これはやはり栗の味や香りがしなくてはならないものだと思っております。しかし、香りや味を付けることによって品位を落としてしまい、とてもチープな商品になってしまうであろうものもあると考えます。

それは私たちが慣れ親しんできたアイスクリームやスナック菓子に原因があるのではないかと推測します。アイスクリームもスナック菓子も味も香りも素材そのものではなく、主に香料などを添加することによって出来ています。

知らないうちに私たちは小さな頃からのこの刷り込みによって思考がそうなってきているのではないでしょうか。

色や形が果物に似せてあるから味や香りもそうなのだろうと推測するのはこの事が大きく関わっているのだと思います。

私は和菓子業界でも近頃、この流れが大きくなっていると感じています。もともと和菓子は季節を敏感に感じ取って、その季節の和菓子を五感で味わうものです。例え生菓子が抽象的なものであってもそこから色々な事に思いを巡らせ楽しむということが本来の和菓子にあるべき姿ではないかと思っています。そこに香りや味まで付けてホンモノに寄せてしまってはやはりとても安っぽいものになるのではないでしょうか。

お話が長くなりましたが、こんな考えによりこの盛夏には香りや味は付けないのです。

こうして私たちの作り手の考えもお客様に知っていただきながら、松屋長春の和菓子はご購入していただきたい。

そんな思いで私はいつもブログを書いています。