松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



優しい思い出

羽二重餅製の「ころ柿」がお店に並びました。


この時期、柿の収穫を終えて干し柿が民家の軒先に並びます。

現在では私の近所にはそのような光景はほとんど見かけなくなってしまいましたが、このころ柿をつくる頃になりますと小さな頃の優しい思い出がほんのりと蘇ってきます。

私の近所にも多くの田んぼや畑が残っていて、稲刈りを終え枯れた田んぼでひとしきり遊んだ帰りにあかね空に照らされた干し柿や玉ねぎがぶら下がっていたのを今でも鮮明に思い出します。

近頃、マンション住まいなども多くなってきたこともあるでしょうが、ご近所同士の親密なお付き合いが希薄になっているなぁと感じる事があります。

わんぱくな小学生だった私は日が暮れるまで外で毎日遊びまわっていて、よく家族に心配をかけました。そんな時、近所の方々は家族と一緒になって私を探し回ってくれたものです。

そんな、優しい人たちに見守られて私は育ったのだという事もこの菓子を作りながら感謝とともに思い起こします。

50歳近くにもなりますと、昔の思い出も次第に薄れていくものもありますが、優しさいっぱいの素敵な情景はいつまでも心の中に残るものです。

私にとってこの生菓子はノスタルジックな気分にさせてくれる特別なものです。