松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



昔の職人さんは名付けの名人

村雨


写真の和菓子の生地を村雨と呼びます。

和菓子ではあんをそぼろ状にし、蒸したものを指します。

一般的には、一時的にザーッと降ってすぐに止む雨の事を言います。

群れた雨から群れ雨。そこから変化して村雨となったと考えられます。

歌川広重の東海道五十三次に、この村雨のシーンを表す一枚があります。


この和菓子の生地を村雨に見立てた最初の人は名付け名人ですね。

私にはこの和菓子と雨を結びつけるようなイメージはありません。もし、私が最初にこの生地を考案しても村雨というような趣を感じさせるようなセンス溢れるネーミングは思い浮かばないでしょう。

今に生きる私たちは昔に生きた人々ほど自然と対峙する機会はありません。屋根のある地下街にいれば雨風を感じられないでしょうし、暑い夏には冷房の効いた部屋で暑さをしのぐ事もできます。

しかし、昔の人はそうはいきません。

自然の厳しさを知り、四季の移ろいを敏感に感じていたからこそのこのネーミングであったに違いありません。

村雨。

由来を知っていただきますと、この和菓子の見え方や味も少しは変わってくるのではないでしょうか。

これからしばらくの間、お店で販売いたします。