松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



菜種もち

菜花が咲き乱れる頃となりました。

私は菜花の匂いがとても好きです。他のどの植物にも当てはまらない菜花だけの独特の香りが大好きなのです。

今となっては菜花の産地、知多半島や渥美半島。関東で言えば房総半島などまで赴かなければ菜花畑を見ることが困難となってきました。

昔は私のお店の近くにも容易く菜花畑があり、春先になり外で遊んでいますと、その匂いがぷうんと漂ってきて私の鼻をくすぐってくれたものです。

また菜花は春の味覚としても秀逸なものがあり、おひたしにも炒め物にも合います。私の家では昔から茹でてからしマヨネーズと醤油で食べていました。この食べ方はあまり馴染みが無いかもしれませんが、オススメいたします。是非お試し下さい。

前置きが長くなりました。



菜種もち

羽二重餅の生地にしっかりと炒った黒胡麻を抱き込ませました。お召し上がりいただいた際に黒胡麻が弾け、その香りがアクセントとして引き立つように考えております。

中は丹波春日大納言小豆の粒あん。

私を含めまして誰しも嗅覚を特段気にして毎日生活をしていないと思いますが、嗅覚は季節を感じる大事なアンテナである事を知ります。また、味覚にも密接な関係があるのだという事を知ります。

本日はこのような事を念頭に置きながらブログを書きました。