松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



シークレット ハート

時代の流れによって様々な事柄や物は少しずつマイナーチェンジを繰り返して変化していきます。

昔から頑固一徹で一切何も変えていないなどとうたっているようなお店でも、ああでもない、こうでもないと試行錯誤しているうちにちょっとずつ変化し、進化していると私は思っています。

松屋長春の羽二重餅も昔から「何も変えていないつもり」でつくり続けていますが、材料の状態によってだけでも随分と作り手のこちら側を手こずらせる場合が多くあります。材料に合わせて苦労しているうちに、うん?となってより良いアジャスト加減が見つかり、結果的にいい方向に向かう事も多々あります。そうして色んなヒントや気づきで作り手が勉強する事によって、間違いなく以前よりもいい状態で美味しい羽二重餅になっていると思います。

先月に女性たちを大きな渦に巻き込んだバレンタインデーに関しても昔から随分変化してきたのではないでしょうか。

本当に好きな人に送るものだったものが、今は友人たち、それも同性に送るのが普通になってきていますし、チョコレートと相場が決まっていたものも少し様相が違っている気がしています。

時代とともにバレンタインデーも進化してきたのだと言えます。

ホワイトデーはどうでしょう?

バレンタインデーにもらったプレゼントのお返しと捉えていらっしゃる方がほとんどではないでしょうか。

本気のホワイトデーというのも、あっていいのではないかと私は考えています。



羽二重餅の生地の上にクローバー、スペード、そしてハートをあしらいました。

男性をイメージさせるクローバーやスペードの下に可愛い小さなハートを忍ばせてあります。

「誰にも言えない秘めた思い」

そんな意味を込めてつくりました。

これから先の未来には男性が積極的に女性に気持ちを伝える時代が待っているかもしれませんし、ホワイトデーの意義が大きく変わっているかもしれません。



この生菓子の意味合いはシークレット ハート。秘めた思いです。

お店ではホワイトハートと銘打って並べてあります。