松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



春ですねぇ

ポカポカと暖かい日が多くなってきました。

春ですねぇ。

春は一般的にはとても気持ちの良いイメージがありますが、実際に毎年春を迎えてみますと風が強い日が多かったり、雨の日が多かったりと気持ちの良い日があまりないような気がします。

しかし春の色は目にも優しく、目にするだけで癒され幸せな気持ちになります。昔の人は防寒着もなく、暖房器具などは当然なかったので、厳冬を耐え凌いだ後にやってくる春を今かいまかと待ち焦がれていた事でしょう。そして、芽吹きの季節を迎え、その優しい色を目にした時は皆が最高の笑顔に包まれたことでしょう。

春夏秋冬がはっきりしている日本に生まれた私たちは元来、春はそんな良いイメージを持つよう先祖から脈々と受け継がれてきたDNAとして深く刷り込まれているのかもしれませんね。

先日、配達でお邪魔した地元のお寺のもみじがとても素晴らしかったので写真を撮ってきました。





これぞ本当の若緑色。

これ以上の素敵な色はない!そう毎年感じます。

ジャストのタイミングで見られる事ができました。

また、別の場所では



藤棚の下から上を望むと葉と花が半々くらいになった桜を見る事ができました。

藤の花は蕾から花へ、そして桜は桜花は満開から葉桜へと姿を変える。。

一瞬しか見られない花から花への移ろいは華やかではなかったですが、わびさびのような落ち着いた美しさがあるように私には思えました。

あくせくした世の中では遠く彼方へ忘れ去られてしまいそうな、どこにでもあるような風景ですが、私はこのような風景が私たちにはやはり非常に大切であると思っています。いつまでも守っていきたい日本の春の風景です。

話は変わりますが、



フランスが誇る世界文化遺産、ノートルダム大聖堂が先日火事の被害に遭ってしまいました。

外壁はなんとか残りましたが、中のパイプオルガンやステンドグラスなどは消失してしまいました。かろうじて残った十字架が何とも悲しげでした。



ノートルダム大聖堂のステンドグラスです。

幻想的で美しいステンドグラス。このステンドグラスも一瞬て無くなってしまいました。

形のあるもの、いつかは壊れて無くなる。知っていても実際に目の当たりにすると胸が痛くなります。

完全修復とはいかないまでも、少しでも前の状態に近くなればいいなと切に願っています。

世界文化遺産や世界自然遺産などは一旦登録されても保存が困難になり、存続ができなくなるところも少なくないようです。

人間の知恵や努力でつくられたもの、美しい自然、この先もずっと守らなければならない大切な遺産です。