松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



備中白小豆とは

昨日の続きです。

備中白小豆を皮の部分とこしあんのもととなる中身とに分け、何度も何度も晒して絞ったものが生あんとなります。



こちらが生あんです。

粒あんと違い、皮の部分を全て捨ててしまうので少し勿体ない気がしなくもありませんが。

さっぱりとしていて、それでいながら味わい深い生あんはこうして出来上がるのです。

一般的に白あんと言われるものは野菜豆を原料に使っていることがほとんどであります。

いんげんなどの野菜豆はそれ独特の香りと味わいがあり、色は純白に近いものとなります。一方で白小豆のこしあんはもともと持っている本来の色が出て乳白色をしています。また、その味わいは他の追随を許さぬほど高貴なものとなっています。

その分、仕入れ値としましても3倍以上の違いがありますが。

生あんに砂糖を加えてしっかり炊き上げたものです。



これで一昼夜寝かせてやっと使う事ができるのです。

素晴らしいものには、その素晴らしさの理由がきちんとあります。

作り手はそれを熟知しながら向き合っていかなければなりません。