松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



朝陽に照らされて

朝陽に照らされて、道明寺製の桜餅が輝いております。



和菓子界では関東と関西では大きな違いがあります。

きんとんで言いますと、関東はあんに寒天を入れるスタイル。関西はつなぎを入れるスタイル。

この桜餅も関東の平鍋で小麦粉を原材料に焼く長命寺スタイルと関西の道明寺スタイルとに大きく分かれます。

また具象的、抽象的という括りでも関東と関西では大きな違いがあるようで、具象的に和菓子をつくるのは関東圏の和菓子屋さんの特徴でもあると感じています。

このように育まれた文化や歴史の中で独自に発展してきました。

わが中部圏は関西寄りのスタイルが多いのではないかと感じている次第です。

東京、京都とどちらも勉強した私ですが、現在は関西寄りのスタイルを貫いているつもりです。

桜餅は長命寺、道明寺に関係なく桜の葉を使います。



当店の桜葉はいつも伊豆地方特産の深漬けのものを使っております。

なぜなのかはっきりとはわかりませんが、国産のものは特に香りが立つ事が特筆すべき点であります。

桜葉の塩気と香りが乗った桜餅は包あんした道明寺をより一層高みへと昇華させます。

この桜餅は桜が満開になり、散りゆく頃までの販売となります。