松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



「ひちぎり」という和菓子

ひちぎりというおひなさんの生菓子をお店に並べました。



ひちぎりの由来は宮中行事。

女の子の幸せを願ってつくった餅に由来すると言われています。その際に餅を丸めずに引きちぎったままにしていた事から、この「ひちぎり」が出来上がったとされます。

お正月の花びら餅もそうですが、宮中行事に由来する和菓子は結構多いものなのです。



ひちぎりには真ん中に丹波大納言小豆の粒あんが入っています。



外の生地はこなし製。

伊吹山のよもぎをたっぷり使用しています。もちろん着色料などは使わず、よもぎだけの色で練り上げています。

なかなか言葉だけでお伝えするのは難しいですが、本当にたくさんのよもぎを使わなければこのような濃い色合いにはなりません。

当然、とても多くのよもぎを使っておりますのでよもぎの味わいも色濃く出ています。

最後に。

書くのを忘れていましたが、松屋長春の「ひちぎり」はツノの部分を引きちぎったままにせず、形を整えてお店に並べています。

理由としましては、引きちぎったままにしておきますと、その部分が特に乾きやすくなってしまい、お客様のお手元に届いてからの状態をできるだけそのまま保っておきたいと考えるが故にそうさせていただいております。

しかし、和菓子本来の意味や由来などもお知りおきいただきながらお召し上がりになって欲しいとの考えから、長々とご説明いたした次第です。