松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



咲き分け

本日は「咲き分け」をご紹介いたします。

薄紅色と乳白色にぱっちりと分けて備中白小豆のこしあんを包みました。



外郎製の蒸し菓子です。

外郎製の生地のとてもいいところは、何も着色していなくても自然にやわらかな乳白色になるところです。

写真のようにたとえ紅色を刺しても、優しい色合いの薄紅色に仕上がります。

これは作り手である私の技量などとは全く関係なく、この生菓子の配合の恩恵であります。

表題の「咲き分け」は咲き分ける花の事を指します。

一本の樹木から2色の花を咲かせる「咲き分け」。聞くところによると時に4色を咲き分ける樹木などがあるそうです。

代表するものに梅や桃やツツジ、サツキなどがあります。

咲き分ける遺伝子的メカニズムは、私には到底わかりません。私と同じように昔の人々はこの咲き分ける花を見た時には大きな驚きと感動を覚えた事でしょう。