松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



優しく、控えめな色合いで

優しく、控えめな色合いで白雪糕という干菓子を仕上げました。





一昨日に娘と知多半島へ出向いた際に多く見かけた菜花をこの目に焼き付けてつくりました。



雲一つない青い空に向かってまっすぐ伸びた菜花が、風に吹かれてゆりかごのようにゆらゆらと揺れる様子がとても私の目に美しく映ったのです。

菜花は菜花でしか放たないその香りもとても印象的で、近くにいなくともその優しい香りが鼻をくすぐってくれます。

キンモクセイやユリなどのような強い匂いではなく、どこまでも控えめでありどこか奥ゆかしくも感じます。

干菓子は特に私が修行した京都では、普段の着色よりもより強く色鮮やかにするのが常とされていますが、私がつくったこの白雪糕はあえて着色を意図的に抑えて仕上げております。

最後に白雪糕のご説明です。白雪糕は落雁のような干菓子です。原材料は餅米の粉2種類と砂糖が元となっています。

懐かしい味わいや香りが昔小さかった頃を思い出させてくれるような、そんな干菓子であると思います。