松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



家族サービス

「せっかく娘たちと休みの日が合ったのだから久しぶりに家族サービスしようかと思う」

こう高校時代からの親友に話したところ

「俺は家族サービスって言葉が大嫌いなんだ。家族にサービスをしてやってるっていう感じが出ているから。それは大間違いでお前が娘たちからサービスされているんだ。娘たちと出かけて嬉しいやろ?じゃ、サービスしてるんじゃないよな?だったらそんな言葉、使うな」

そう、間髪いれずに返ってきました。

なるほど。家族サービスという言葉について全く深く考えた事は無かったのでついつい簡単に当てはまる言葉を選んで使っていました。



私のお店のお客様の会社の大会長である相談役の方からお電話があり、こちらの会社主催の貸切公演にご招待いただきました。

シルクドソレイユのキュリオス!

とても行きたかったんです。


次女、三女と楽しんできました。

そう言えば、相談役のお電話の内容は

「この日の夜、時間ある?仕事で忙しいだろうけど時間があったら娘さんたちと一緒に楽しんできなさい」

そう、有り難いお言葉をかけていただき、チケットをいただきました。

家族サービスなんて言葉は出てきませんでした。

「娘たちと一緒に楽しむ」

これが正しいと改めて感じました。

私も楽しく幸せですが、娘たちも私と一緒に出かけて楽しく幸せ。

素晴らしい時間を家族で共有することなんです。

とてもいい事を二人に教えていただきました。

あと何年も経たないうちに次女と三女は私の元を離れていくでしょう。今、一緒にいられるうちにできるだけ幸せを娘たちと共有したいと思った夜でもありました。

言葉って難しい。でも、間違って使わないようにしっかり考えて使わなければいけません。

正月の準備 椿編

おはようございます。

昨日はお正月の花びら餅の重要部分を司るごぼうの仕上げについてお話いたしました。

本日は椿のお話をさせていただきます。

お正月前後に当店で販売いたします椿餅。備中白小豆の粒あんを羽二重餅で包んだ生菓子なのですが、一番最後の仕上げに椿の葉2枚で包んだ羽二重餅を挟み込むのです。

その椿の葉もごぼうの缶詰と同じく売ってはいるのですが、やはり納得いくものがなかなか無いのか現実です。

椿の葉と言えども反ったものは当然使う事が出来ません。生菓子の下にひく葉などは反っていると真っ直ぐに生菓子が落ち着かないからであります。また葉の表面にお照りの無いものは見栄えが悪く、使えません。

自分のお眼鏡に叶う椿の葉をと思うとやはり自分で調達しなければならなくなるのです。


少し肌寒い昼下がりにお店のみなさんと一緒に摘みに行ってきました。


納得いく葉を調達できました。しかし、これだけではまだ足りないので別の日にもう一度摘みに行く予定です。

せっかく外に出たので、稲沢市の銘菓ベニサザンカの花も一緒に摘みました。


ベニサザンカは今が満開の時期。

これから真紅に染まった美しいベニサザンカの花を茹で上げて夏のベニサザンカに使用する3カ月分を保存する事にします。

これで一安心です。

お正月の準備やベニサザンカの花摘みなど、年末は普段の仕事以外にもやる事が盛りだくさんなのです。

毎年師走に突入しますと、一日が25,6時間あったらなぁなどど叶いもしないような事を思案するようになります。

正月の準備 ごぼう編

あと半月もしますとお正月。

若かりし頃は冬休みが待ち遠しくて待ち遠しくて。そしてお正月のお年玉も楽しみで仕方ありませんでした。

しかし、大人になって和菓子屋という仕事を持つようになりますと、そうも言ってはいられません。

私たちの仕事は世間一般の方々がお休みの時に忙しいのが常であります。お正月、ゴールデンウィーク、お盆などはその代表でありますし、土日祭日もやはり仕事であります。

お正月が近くなりますと、様々な下準備にも追われてきます。

今回はごぼうのご紹介です。


細めのごぼうを選定し、しっかり洗ってから長さを揃えて切り分けます。


次にしっかり灰汁抜きをして柔らかく煮上げます。


花びら餅に使用する大きさに切り揃えて蜜漬けします。

ごぼうを洗ってからざっと四日間で仕上げです。とても手間がかかる仕事ですが、このごぼうも自分で仕上げないといい花びら餅は出来上がりません。

缶詰でも簡単に手に入る花びら餅のごぼうですが、食感や味わいが随分と手づくりのものに比べ劣ります。手作業で作り上げたごぼうはとても柔らかく、味わいのスッキリさが秀逸です。

食べ比べるとその違いは歴然です。

このごぼうを使った花びら餅は今月29日より販売開始いたします。