松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



季節と味覚の関係

柏餅用にあん玉を握りました。


照り、きめの細やかさ、口溶けと喉越し、そして味。

納得のいくとても良いあんに仕上がっています。


季節。特に温度と味覚は関係が深いように私は考えています。

暑い夏になれば冷やし中華やそうめん、かき氷などを好みます。逆に冬には鍋などの温かいものを欲するようになります。

それと同じように和菓子におきましてもやはり暖かくなるにつれ、口当たりのさっぱりしたものやひんやりとさせてくれるものを好むようになります。

季節の移ろいに伴ってやはり食べて美味しいと感ずるものが違ってくると思います。


この時期にスタートします柏餅はやはりタイミングよく考えられた和菓子ではないかと考えます。

口当たりもひんやりして清涼感溢れていますし、こしあんの口溶けや喉越しもよく、あっさりとした味わいも良いのではないでしょうか。

本日より柏餅スタートです。

藤絞り

こなし製の生菓子です。

中はこしあん。


藤しぼりと名付けてお店に並べました。

私の家の藤の花もすでに開花しましたよ。


今年は花たちの開花が全体的に早いようですね。

話は変わりますが、和菓子の着色にはとても気を使います。

お客様はあまり気づかれないのかもしれませんが、一年を通してお店に並ぶ和菓子は全体的に統一感があり、それはお店によって。また作り手によってそれぞれの色合いや味があります。

松屋長春には松屋長春の昔から受け継がれてきた松屋長春だけの色合いがあります。

これは創業者の祖父の頃から、お客様に親しまれてきた色であり、父も私もそれを踏襲しています。

着色の中でも一番難しいものに紫色があります。これは紅と青を混合して着色するわけですが、配合によって青がちになったり赤がちになったりします。

私がお世話になった京都の和菓子屋では常に青がちが基調の着色でした。祖父や父の着色は少し赤がち。

修行から帰ってきた頃はこの紫色の着色にとても戸惑いを覚え、慣れ親しんだ青がちの着色がなかなか頭から離れられませんでしたが、現在は松屋長春の色に私も完全に染まりました。

感覚は人それぞれ。しかし長きに渡り、脈々と受け継がれていかなければならないものもあります。

それが和菓子屋にとっては色や形や味であり、ほかのお店には無いものだと思います。

いずれ娘も帰ってくるでしょうが、松屋長春の職人として私も含めて皆が共有できるようしっかりと伝えていきたいと思っております。

お約束のもみじ

おはようございます。

先日、少しこのブログで書きました春のもみじのお話の続きです。

私、もみじの葉は秋の紅葉も大好きなのですが、やはり春のもみじの方が優しくて好きです。柔らかであたたかい若みどりのもみじの葉の色は何ものにも代え難い素敵な色。どう、和菓子で表現しようにも自然がつくりだすナチュラルな美しさには敵わないと思っております。

本日は昨日に引き続きお休みを頂戴しておりますが、午前中はいつもお付き合いのあるお寺さんからのご注文があり、先程和菓子を納めてまいりました。


稲沢市の安楽寺さん。

私はこちらのもみじの木が一番大好きです。


見惚れてしまい、いつもしばらくここに佇んでしまいます。

ちょうどこの頃、もみじは花を咲かせます。


小さな小さな赤い花。

これがとても可愛いらしくて。

新緑と紅色のコントラストが一番美しい頃合いです。

昔よりは枝も少なくなりましたが、大きくなったもみじの木が枝をもたげている姿は趣深いものです。

お時間のある方は今の時期にご覧になっていただきたい私の愛すべきもみじです。

さて、昨日採った筍。


しっかりとアク抜きをして仕上げました。

料理の腕を振るって、家族やパートさんたちに食べさせてあげたいと思います。