松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



現代の私たちにぴったり

先日、羽二重餅の焼印「巻水」のご紹介をしました。

ご紹介した際、水の焼印の図案は他にもございますとおはなししたことと思います。

羽二重餅の焼印を「巻水」から「青海波」へと変更しました。

青海波は「せいがいは」と読みますが、私の修行先である京都の末富では「せいかいは」と読んでいました。おそらくではありますが、どちらの読みでもよろしいのではないかと思います。



鱗のように見えなくもない波の紋様を3つ積み上げた図案となっています。

この青海波紋様は古代ペルシャから伝わってきたとされます。シルクロード伝いに渡ってきたのでしょうか。

日本に伝わり、その後国内に広まったのは平安時代の事と言われています。

そのうちこの青海波紋様には意味が付いてくるようになりました。

それは

無限に広がる穏やかな波に未来永劫と、平和な暮らしへの願いを重ねて」

であります。

穏やかな海の姿を波立つことのない平和な世の中に重ね合わせたのでしょう。

とてもステキな意味合いをもらったこの青海波紋様は現在では吉祥紋様の一つとして数えられています。

新型コロナウイルスをはじめ、毎年天災にも悩まされ続けている現代の私たちにぴったりの紋様だと思いませんか?

青海波紋様の焼印は、そんな願いを込めながらこの先しばらく押し続けていきたいと思っております。

願いの短冊

色々な色合いの願いの短冊を抱き込ませ、夏の生菓子が出来上がりました。



今年の七夕は新型コロナウイルスの影響で自粛の動きが全国各地でも広がっていると思います。

とても寂しいことですが、希望の光だけは灯し続けていたいものです。

「来年こそは天災もなく、新型コロナウイルスも収束し、平穏で素晴らしい一年になりますように」

今年、短冊に願いを書くとしたら私はこう書きたいと思っています。

吾唯足知

久しぶりに父のリクエストでハヤシライスをつくりました。



私のこだわりは玉ねぎ。



飴色にしっかり炒めた玉ねぎと寸前に入れる玉ねぎとを使い分ける事です。

甘みの増した玉ねぎとシャキシャキした玉ねぎの食感のどちらも味わうためです。



あとはバターとグリーンピースとフレッシュなマッシュルーム。



牛肉を炒めてから投入して出来上がり。



私は東京に2年住んでいました。

その時、仲良くしていた長野県出身の和菓子屋の息子がハヤシライスとポテトサラダの組み合わせが大好きでいつも付き合わされて食べていた事を思い出しました。

いつもお互いお金が無くって、レトルトのハヤシのルーを買い、スーパーでお惣菜のポテトサラダをついでに買い込んで、彼のアパートで一緒に食べたものです。

面白いもので、今となっては自分でつくったハヤシライスの方が間違いなく手間がかかっている分美味しいに決まっていますが、あの頃食べたハヤシライスの美味しさは今でも忘れられないものです。

淡く幸せな思い出とともに残る味は、どんなに美味しい料理にも敵わないものかもしれません。



‪貧乏だったけど、それはそれでとても充足した毎日でした。‬

‪心の豊かさがあった若き日の東京生活を思い出し、幸せな気持ちに浸る事ができました。‬

‪吾唯足知です。‬