松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



マスクよ、おまえは本当に困ったもんだ!






「マスクよ、おまえは本当に困ったもんだ!」




新型コロナウイルスが世界中の人々の生活を一変させました。




外見で一番わかるのはマスクです。




出かける時には必ず身につけるようになったこのマスクですが、何が困ったかと言いますと、相手の口の動きが全く見えない事なのです。




自分自身がマスクを付けるのは全く問題ないのですが。




先日このブログでも書きましたように、私は左耳が不自由です。不自由になってからちょうど10年くらいになりますが、やはり日常生活を送るにも随分苦労が多くあります。健常な方の半分の聴力しか無いのですから当然ですよね。




人間は逆境を乗り越える素晴らしい能力を持っているようで、この10年あまりの間に私は気づかないうちに簡単ながらも読唇術を身につけていたようです。(当然、専門的に勉強したわけでも習ったわけでもありません。)




口の動き、特に唇を見ながら相手が何を話しているのかを知ることによって耳が少し聴こえなくてもなんとか上手に対処してきたようです。




ところが、全ての人がマスクを日常的に付けるようになった今、読唇術を使うことが全くできなくなってしまいました。




マスクを付けている相手の声が思いの外聞き取りにくい自分に初めて気づいたのです。




「ああ、実は人の声ってあまり聞こえていなかったんだなぁ。人の唇を見ながら自分は理解していたのだ!」




思い知りました。




私よりも聴力の弱い方々が多くいらっしゃると思います。その人たちは、おそらく私よりかずっとご苦労が多い事と思います。




私の勝手な予想ですが、この先新型コロナウイルスがきちんとおさまっても変わらずマスクの常備は続くのではないかと思っています。




様々な障害をお持ちの人がもっと暮らしやすい世の中になりますように。




また、私を含めて少しでもどこかに障害を持つ人は広く公言することによって、理解を深めてもらう事も大切であると感じています。