松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



鮎という魚

さかなへんに占うと書いて「鮎(あゆ)」と読みます。




だいたい魚の漢字はさかなへんでありますが、どうして占うという漢字を採用したのでしょうか。




昔の人はその年の鮎の遡上の状況を見て、一年の良し悪しを予想していたのかもしれませんね。私の勝手な解釈ですが。




鮎は別名「香魚」とも言います。




小魚の頃は昆虫や虫などの動物性のものを食べていますが、春先に川をのぼるようになると、川底の石に付いた苔を食むようになります。




その食べた苔が鮎の香りのもととなり、よく形容されるのは「スイカの匂いがする」です。




鮎に鼻を近づけてみると、なるほど。スイカのようなとてもいい匂いがするんですよね。魚の生臭い感じは一切しません。




鮎の分類はキュウリウオ目。公魚(ワカサギ)と同じ仲間になります。そう言えばワカサギを釣って匂いを嗅ぐと同じ系統の香りがします。




余談ですが、塩焼きは鮎と太刀魚が最も好み。




前置きが長くなりました。




松屋長春の「若あゆ」はスイカの香りはしませんが、卵の優しい香りがふんわりと漂います。




お腹には魚卵ではなく、ふわふわの羽二重餅を抱いております。