松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



こしあんはつらいよ 第二部



昨日の続きです。

柔らかく炊き上がった小豆を皮と中身のごと言われるこしあんのもとに分けたところです。

表面の泡はいわゆるアクやエグミです。これをしっかり取り除かないとすっきり、あっさりとした口溶けのよいこしあんは出来ません。

何度も水に晒します。



昨日、絞り袋に入った写真を掲載しましたが、その絞り袋ごとこの機械で一気に水抜きします。



ここでやっと生あんが出来上がりました。

最終的にこの生あんと砂糖を入れ、こしあんを炊き上がげるのです。



昨日仕上げたこしあんです。

納得のいく仕上がりとなりました。

こしあん、粒あんは教科書通りに仕上げるのが一般的であります。

私もそう教わってきましたし、私の知る限りではそれ以外の仕上げ方を見た事はありません。

しかし、長年小豆に携わって自分なりにわかってきた事が多くあり、今では独自の仕上げであんと向き合っています。

最高の材料を手に入れる事はとても重要で最優先事項でもありますが、その材料をいかに上手に仕上げるのかという事も同じくらい大切であります。

いい材料、そしてそれを最高のものにする技術や経験。二つが合わさってやっと美味しいものがご提供できるのだと思います。