松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
年内最後のご挨拶
娘が修行を終え、そして結婚し、修行を終えた息子を迎えて2回目の正月を迎えようとしています。
両親、娘夫婦、そして私を含めて仕事場が五人体制となって、はや2回目のお正月です。
分業制、共同作業も交えながらやっとあるべき場所へやってきたと近頃感じています。
松屋長春のスタッフのみんなと私たち五人、毎日まいにちコツコツとお客様に喜んでいただけるよう、色々と試行錯誤しながら邁進しているつもりですが、実際にはお客様一人ひとりの応援のあたたかい風に運ばれて今の私たちの居場所がある。
私はそんな風に感じているのです。
全てのお客様へ。
私たちはお客様に喜んでいただける和菓子をつくるだけでなく、晴れやかな気持ちでお買い物しておかえりいただけるように心がけていきたいと常々考えています。
トータルでお客様にご評価いただけておりましたら最高の幸せであります。
一年間お付き合いありがとうございました。
また明日から新たな一年がスタートします。
これからも変わらぬお付き合いをどうぞ宜しくお願い致します。
抽象的
「初海」と銘打ち、30種類のお正月の和菓子の一つとしてお店に並べています。
海の感じ、出てますでしょうか?
抽象的な和菓子をつくるのが、私はたまらなく好きであります。
ウクライナの人々へ
ロシアとウクライナの戦争が長引き、越年する事は間違いなさそうです。
インフラを重点的に攻撃され長期にわたり停電を余儀なくされているウクライナの方々の悲哀に毎日心を痛めています。
ただでさえ極めて冬が寒い国なのに暖房を全く使うことができないウクライナの人々の心中を察するだけで涙が出てきます。(ロシアの人々も少なからず苦しんでいるだろう事も決して忘れてはなりません。この戦争に断固反対されている方が非常に多いはずだと私はそう思っています。みんな同じ人間だもの。)
戦争というものは物を破壊するだけでなく、人の心までも蝕んでしまう愚かな行為であると思います。
一刻も早い解決を願ってやみません。
今、私の感じている事柄のおはなしが長くなってしまいました。
本題に入ります。
令和五年の勅題は「友」となっています。
勅題とは、天皇陛下が出題する詩歌のお題のこと。
新年を迎えた歌会始にはこの勅題「友」にちなんだ歌が詠まれることでしょう。
松屋長春では、勅題にちなんだ和菓子を必ず毎年つくるようにしています。
今回は「友」からイメージを膨らませ、ウクライナ国旗に優しい色合いのハートマークをあしらいました。
誰しも友人が苦しんでいたら、心底心配し必死にその友人の力になろうと奔走するはずです。
私にはウクライナの友人や知人は一人もいませんが、ウクライナの方々に気持ちだけでも近くで寄り添っていたかったのです。
もし自分自身が彼らの立場になっていたらどうでしょう。。。
誰でも同じ事を考えますよね?
「優しい心で。おだやかな心で。」
そんな気持ちをうすべに色のハートにのせました。
この和菓子は「友の輪」といいます。
本日より30種類の中の一種としてこの和菓子を並べますが、ご用意した材料が無くなり次第終売となります。
できるだけ多くの方々にご覧いただきたい、気持ちのいっぱい詰まった和菓子です。