松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
お洒落な風
軽羹の生地に蕎麦粉を参加させ、秋らしいシックな装いで仕上げました。
落ち葉には虫食いがつきもの。
その虫食いの部分を細かく割った大徳寺納豆で表現しております。
木の葉が風に吹かれてハラハラと舞い散る。そんな季節に入ろうとしていますが、この時期の空気感と言いますか、肌感と言いましょうか、この気持ち良さが私は一年で一番好きなのであります。
自分が生まれた季節を愛するような、そんな傾向が人間にはあるのかもしれません。
風に吹かれてと書きましたが、すぐ連想できるのはボブディランのあの歌。あの歌詞。
「その答えは風に吹かれているのさ。」
ノーベル文学賞を受賞した彼の書く詩はたくさんの含みがあってすごくカッコいい。深いからしっかりと噛み締めて理解しないといけないんです。
気持ちの良い、どこかお洒落な風が吹くこの季節にあらためてボブの曲にじっくり向き合いなおしたいな。そんな風にこの文章を書きながら思いました。
絵描き歌
「光琳菊」
尾形光琳がデザインした菊は長い時を経た現代にも息づいています。
こうして和菓子に落とし込んでも凛とした佇まいになり、「なるほど。シンプルながらしっかり的を得ているなぁ。」と感心します。
丸書いてチョン。
極々シンプルにサラッと書いただろう尾形光琳。
もしかしたらドラえもんの絵描き歌を歌いながら書いていたのかもしれませんね。笑
ぎんなん餅
祖父江のきんなん「藤九郎」をクラッシュして、ふわふわの羽二重餅の中にたっぷりと投入しました。
丹波大納言小豆の粒あんとの組み合わせです。