松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



秋の風物詩

明日の日曜日、国府宮神社において「秋の大茶会」が盛大に開催されます。




春と秋の茶会では、松尾流、表千家、裏千家の三流派が一堂に会します。




本日は、裏千家のご担当の先生よりご用命いただきました干菓子をご紹介いたします。




和三盆糖100%で仕上げた「雀(すずめ)」の打物。








そして、すずめ避けとして田畑で使われてきた「鳴子」の焼印を施した「種合わせ」。








秋の田園を思わせる、この二つの組み合わせです。




秋の風物詩でもある「雀」と「鳴子」。




とても良い取り合わせではないかと思っております。




ご注文いただいた500組も昨日ようやく完成。




現在、乾かしているところです。




今回の鳴子は専用の焼印があったわけではありません。




焼きごてで一本ずつ線を引いて仕上げましたので、これがなかなか大変な仕事でした。




そのため、一つひとつの鳴子の表情が少しずつ違います。




同じものが二つとないところに、手仕事ならではの面白みがあるのではないかと思っております。




こちらの干菓子のセットは、少しばかりではありますが松屋長春の店頭でも販売いたします。




ぜひ手に取って、秋の味わいをお楽しみください。




残りの生菓子二種は、今日から明日の朝にかけて仕上げていきます。




明日、またご紹介させていただきますね。

焼きイラとは?

備中白小豆のこしあんを松屋長春特製の羽二重餅でふわっと包んで。




頂に茶色の「焼きイラ」をつけてシカの焼印を施してあります。








「焼きイラ」って聞いた事ないですよね?




「イラ」とはイラ粉の事で、もち米を蒸してから乾燥させて砕いた粉の事です。それを深く炒ったものが「焼きイラ」なのです。




私の感覚ですので間違っているかもしれませんが、このもち米由来の粉の事を関西では「イラ粉」と呼び、関東では「上南粉」と言うのだと思います。間違っていたらごめんなさい。




朱色や黄色や茶色が似合う季節となってきました。秋に紅葉に鹿も定番の組み合わせ。




10月、そして11月を少し早く感じていただきたい。そのような私の気持ちがこもった和菓子のご紹介でした。

まーるかいてちょん

マスターピース(最高傑作)とも称される「紅白梅図屏風」を描いた尾形光琳。




彼が描いたものの一つに、「光琳菊」と呼ばれる菊の意匠があります。




極々悪く言ってしまえば、「まーるかいてちょん」となるかもしれないほど超シンプルなデザイン。




それでいて菊の姿を実に簡潔に、そして印象的に表現しています。




この「光琳菊」を薯蕷製の和菓子に落とし込みました。








丹波大納言小豆のこしあんを薯蕷の生地で包み上げ、「光琳菊」の意匠を平鍋で焼き付け、天使の輪のような形に表現しております。




そして「ちょん」の部分には、丹波大納言小豆の蜜漬けを。




一見すると素朴でありながら、どこか凛とした佇まい。




我ながらお気に入りの和菓子となっております。