松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



鳥と魚と

今日はゴールデンウィーク前、最後の休みでした。明日より2週間休み無し、ぶっ通しで仕事いたします。




みなさまに喜んでいただけるような、そんな和菓子をまたつくっていこうと思っております。




洗濯物を干してでかけると、すぐに小麦が青々と育っているのを見つけました。近頃は田んぼに小麦を植える農家さんが増えてきたんですね〜。もしかしたら小麦を刈り取った後、少し遅めの田植えが始まるのかもしれません。二毛作は効率的。とてもいい事だと思うのですが、実際はどうなのでしょう。








違う田んぼでは米の準備が進められています。夜中から朝方までの雨で水が少しだけ張った地にシラサギが飛来していました。相変わらず純真無垢で美しい。








今日の予定はまず一宮市。それから岐阜県海津町まで出向いたのですが、海津まで行きますと濃尾平野は広大と言えど山々が近いのだとあらためて感じさせられます。雨雲と養老山脈のコントラストの美しさにため息が漏れます。








ああ、自分はこんなステキなところに生まれ育ってきたのだと、喜びが湧き出てきました。




海津を後にし、次に向かうは「アクアトトぎふ」。




向かう途中、長良川沿いの防波堤を走っていると、雄のキジが食事をしているのを見つけました。




木曽三川は自然の宝庫。




実は、今の時期がキジの産卵の季節なんです。卵を夫婦交代で温めているのだろうか。ニコニコしながらそんな事を考えて長いドライブを楽しんだのです。(外からみると随分キモいかもしれませんね。笑)




「アクアトトぎふ」に到着。車を降りると早速街路樹にシジュウカラが留まっているのを見つけました。金属音のような鳴き声なのですぐにわかりました。








シジュウカラは私と同じで落ち着きがありません。何とか写真に納めた次第です。




ちょうど今、水族館を出て帰ってきたところです。




朝から夕方まで、とても充実した休日を過ごすことができました。




充電完了。夕ご飯を食べたら早めに就寝して明日からの激務に備えます。




「休日は心の洗濯の時間に充てる。」




これ、私の信条であります。

渇水の御母衣ダム

「御母衣ダム」




ダム巡りを始める前、一番多く訪れていたダムがこの御母衣ダムかもしれません。




というのも、この周辺にはアマゴやイワナが釣れる川が点在しており、釣りへ向かうたびに自然とこのダムの脇を通ることになるからです。特別な興味がなくとも、ダム湖を横目に眺めながら車を走らせる。そんな付き合いが長く続いていました。




ちなみにこの御母衣ダム、サツキマスやニジマス、そして大型のイワナが狙える場所でもあります。知る人ぞ知る、というやつです。




家を出たのは朝6時半。長距離ドライブの始まりです。




東海北陸自動車道は、出発点である稲沢市から富山県までを結ぶ長い道。その道中には全部で56のトンネルがあるそうです。今回私は白鳥ICで降りたのですが、そこまででちょうど28個。半分のトンネルをくぐったことになります。




それに気づいたのは、トンネル入口の表示でした。名称と距離に目が行くのはいつものことですが、その上に「1/56」「2/56」と番号が振られているのを見つけ、思わず数え始めてしまったのです。単調になりがちな道のりに、小さな楽しみがひとつ増えました。




寄り道を重ねながら、ようやく御母衣ダムへ到着。








岩や砂利を積み上げて造る「ロックフィルダム」。その日本初が、この御母衣ダムです。




















近くの御母衣電力館にも立ち寄り、あらためて知識を深めましたが、積み上げられた岩石の高さは131メートルにも及ぶとのこと。途方もない人の労力と時間が積み重なって、この姿になったのだと想像すると、ただ立っているだけの景色にも重みが増して見えてきます。




そして、今回もっとも印象に残ったのは水量でした。




かつての記憶とは明らかに違う水の少なさ。岸辺は大きく後退し、露わになった地面が広がっていました。静まり返った水面を見つめながら魚たちは大丈夫だろうかと、つい余計な心配までしてしまいます。








ダムも水があってこそ。




あの満ちた湖面を思い出しながら、また雨が巡り、この場所に水が戻ってくることを願わずにはいられませんでした。




小さなダムには、歩いて巡り細部まで味わえる良さがあります。一方で御母衣ダムのような巨大なダムには、ただそこに立つだけで圧倒される、景観の力があります。




これまで通り過ぎることの多かった場所に、あらためて足を運ぶ。そして、ひとつひとつを知る。




その積み重ねが、旅をより深くしてくれるのだと感じた一日でした。

これこれおじさん

松屋長春の常連のお客様で「これこれおじさん」と私たちが愛情を込めて呼ぶ方がいらっしゃいます。(写真はこれこれおじさんが乗られている屋根付きのバイクです。雨の日も風の日も必ずこのバイクに乗ってご来店くださいます。いや、くださいました。)








なぜ「これこれおじさん」かと言いますと、店頭に並ぶ生菓子を「これ!これ!これ!」と指を指しながら注文されるからであります。




最初は変わったお客様だなと思っておりましたが、この方実は日系ブラジル人でいらっしゃいまして。日本語をしっかり話されるので、意思疎通は普通に出来れど漢字(もしかしたら平仮名も)が苦手。そういう事だったのです。




今はスタッフさん達とも仲良くなり、色んなお話をされて帰られるようになりました。




実は昨日、ご来店最後の日でした。




帰られる時に家族みんなでご挨拶をしたのですが、込み上げるものがあったのは言うまでもなく。。、




お話を聞いたところ、36歳の時に来日され、36年という長きに渡って日本で働かれたそうです。ちょうど半分ブラジル、あと半分は日本。




これから3ヶ月、三重県に住むお姉さんと一緒に過ごした後、二人でブラジルへ戻られるとのこと。これで二度と日本に戻って来る事はないと思います。そう仰っておりました。




「出会い」は嬉しいものですが、「別れ」というのは寂しく悲しくとても切ないものであります。




ずっと松屋長春の事を忘れないでいてほしいです。私たちもあなたの事はこの先も決して忘れません。




長い間、松屋長春の和菓子を愛してくださいまして本当にありがとうございました。




ブラジルへ戻られてもずっとお元気で。そして懐かしいブラジルでの生活をどうぞ思いっきり満喫されてください。