松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
懐かしい記憶
この和菓子をつくり、お店に並べる時期が随分と遅くなってしまいました。

スイカ割り、扇風機、プール、夕立ち、かき氷、風鈴、金魚すくい、朝顔、カブトムシ、セミの鳴き声、鮎、海水浴……。
夏の風物詩をこうして一つひとつ思い浮かべていきますと、何故だかわかりませんが、子供だった頃の記憶がじんわりと蘇ってきます。
先日のたそがれどき。空を見上げると大きな入道雲が浮かんでいました。
モクモク、綿菓子。そんな風に形容できるその姿が「これぞ入道雲!」。
そう感じて、わざわざ携帯電話を取りに行って写真を撮った次第です。

夏という季節には、いつもどこか懐かしい記憶が隠れているような気がします。
トラウマ
むかーしむかし、父は「打ち上げ花火師」になるのが夢でありました。
松屋長春に婿として松屋長春に入る前、迷走しながらもそう考えていたそうです。
祖父はとてもとても厳しい人でした。孫の私から見ても。
花火大会が開催される日になると、どうしても花火を見たい父は、「息子の私が花火を見たがっているから連れて行きたい」。そんな理由をつけて、何とか祖父の許しをもらって足繁く出かけたのです。
混雑極まりない花火会場は毎回蒸し暑く、行きも帰りも非常に長い距離を永遠に歩き続けなければなりません。
幼稚園児や小学生だった私にとって、それはとても辛くて苦しかったのです。
いま、思い出すのもイヤになるほどに。
これが「トラウマ」というものなのでしょうか。
そんなわけで、私にとって花火は大人になってからすっかり縁遠いエンターテイメントになってしまいましたが、夜空いっぱいに大輪の花を咲かせ、一瞬にして人々を興奮の渦に巻き込む花火は昔も今も夏を代表する風物詩には間違いありません。
本日は父と私の、特に私のほろ苦い思い出話でした。
羽二重餅の焼印が花火に変わりましたよ。


御霊を見送る鎮魂の花火が終わるころ、夏が終わりを告げ夜風が心地よい季節が到来します。






