松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



喜怒哀楽

本日は長文となります。私の思いが思いっきり詰まった音楽のおはなしです。




よろしければ最後までお付き合いくださいませ。




ラテン音楽はつくづく喜怒哀楽の音楽だなぁと感じます。




生まれた頃から父の影響でビートルズを聴き始め、現在に至るまで全ての音楽のジャンルを聴いてきたと言っても過言ではない私が最終的に行き着いた音楽がラテン音楽であります。




そんな私が今、虜になってしまっているのがナタリア ラフォルカデというメキシコ人の女性歌手です。












普通の日本人はなかなか縁がないかもしれませんが、私はたまたま知る機会があり、彼女に一瞬で心を奪われてしまったのです。




皆さま、ブエナビスタソシアルクラブってご存知ですか?




アメリカのミュージシャン、ライクーダーが発掘したキューバのミュージシャンたちのドキュメンタリー映画です。




そこから世界的に有名になったキューバ音楽のジャンル「ソン」に私は衝撃を受けました。




純真無垢なフリーダム(自由)をソンから感じ取ったからだと思います。




決して経済的に豊かでない彼らが音楽を本気で楽しむ姿。「人間の本質はこうであるべきだ!」




そうあたらめて私に気づかせてくれたのです。




心豊かにみずみずしく生きたい。




ブエナビスタソシアルクラブという映画、音楽が私にそう教えてくれました。




話は少し逸れてしまいましたが、メキシコの歌姫ナタリア ラフォルカデ。彼女の音楽もブエナビスタソシアルクラブと同じような空気、匂い、雰囲気があって心地良い脱力感と自由を感じます。




「肩肘張らずにゆったりとゆっくりと楽しく生きたらいい」




そう喜怒哀楽を含んだ清潔感溢れるメロディにのせて私に語りかけてくれます。




彼女はまだ38歳と若いようですが、このアルバムではおじいちゃんと呼んでもおかしくないほど高齢のミュージシャンたちと共演しています。




映像を見ても、彼女がその中でとてもイキイキとしていて楽しそうに演奏して歌う姿がとても好印象なのであります。




「生きてるだけでまるもうけ。」




誰かがそう言っていたような記憶がありますが、本当にそう思います。




この世に生を受けたなら出来るだけ楽しんでいきましょう。




心静める曲がいっぱいのナタリア ラフォルカデをここに皆さまに強く推します。




人生、喜怒哀楽いろいろあるでしょうが、彼女が安らかなる心へと導いてくれる事でしょう。




ああ、神様。素晴らしい出会いをありがとうございます。




最後に。




とても辛い人、苦しくてたまらないと感じている人、全てを投げ出してしまいたい人、たくさんいらっしゃると思います。




今SNSなどでの中傷が社会問題となっています。




また、芸能人の人たちが自分自身で命を絶ってしまうニュースが続いています。




自分が全く知らない人から批判を受けたりするのは、とても不気味でこわい事であります。それだけの理由ではないでしょうが、とても苦しまれていた事は想像に難くありません。




人の噂話や悪口、そして自分の中の辛いことや苦しいことを人に言ったり書いたりするのがとても嫌いな私ですが、これからもこの信念は貫き通し、その信念を娘たちにも引き継いでいって欲しいと切に願っています。(信頼おける友人にたまにはそっと愚痴を聞いてもらうのはとてもいい事だとは思っています。)




人生長く生きていたらバイオリズムのように何度も何度も浮き沈みというものがやってきます。




沈んだ時はなんとか堪えて、リズムに乗って浮き上がりましょう。




「人生はなんだか苦しい。でも、やっぱり素晴らしい。」




「生まれてきてよかった!」そう思って生きなければ損します。




明日も晴れ晴れとした一日でありますように。また、そんな日を送れるよう自分自身が努力しなければなりません。

オトシブミ

本日は国府宮神社にて月に一度の茶会の日。




その茶席でお使いいただきます、「落とし文」を娘と二人で先ほどお届けしてきたところです。












この「落とし文」ですが、お店でも販売をいたします。お時間ございます方はお店までお越しくださいませ。




ここで「落とし文」のご説明を少し。




オトシブミという昆虫をご存知でしょうか?




オトシブミは背中が朱色の甲虫であります。彼らは植物の葉に卵を産むのですが、一枚の葉に一つだけ卵を授けて葉を噛み切って丸めて地面にポトリと落とします。




地面に落ちた丸められた葉の中で生まれた幼虫は、その葉を食べて育ちます。




一番安全で安心できる種の存続法である事を進化の過程で見つけ出したのかもしれませんね。




オトシブミが落とした葉を人が密やかに書いた恋文になぞらえて出来上がったのが和菓子の「落とし文」であります。




こなし製の緑葉に口溶けのよい北海小豆のこしあんを合わせました。




うっとりするようなロマンティックな初夏の和菓子です。

好きだし

今夜は牛肉切り落としと白ネギをたっぷりと使って、「肉そば」をつくりました。




















仕上げに細いネギ(細いネギって何て言うんだろう?)を刻んで投入。




和の出汁がじんわりと身体にしみわたりました。




日本人はみんな出汁が好きだし。