松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



桜さくら

羽二重餅製の新作がお店に並びました。








桜の焼印を施して。




備中白小豆こしあんを薄紅色に染め上げ、ふっくらと羽二重餅の生地で包んであります。




3月に入る前ですが、我慢できずにつくってしまいました。




それほど春が、桜が待ち遠しいのかもしれませんね。




今年の花見も大々的にはやれないでしょうが、夜に誰もいない川べりでひっそり静かに桜と対峙するのも悪くありません。

マスクよ、おまえは本当に困ったもんだ!






「マスクよ、おまえは本当に困ったもんだ!」




新型コロナウイルスが世界中の人々の生活を一変させました。




外見で一番わかるのはマスクです。




出かける時には必ず身につけるようになったこのマスクですが、何が困ったかと言いますと、相手の口の動きが全く見えない事なのです。




自分自身がマスクを付けるのは全く問題ないのですが。




先日このブログでも書きましたように、私は左耳が不自由です。不自由になってからちょうど10年くらいになりますが、やはり日常生活を送るにも随分苦労が多くあります。健常な方の半分の聴力しか無いのですから当然ですよね。




人間は逆境を乗り越える素晴らしい能力を持っているようで、この10年あまりの間に私は気づかないうちに簡単ながらも読唇術を身につけていたようです。(当然、専門的に勉強したわけでも習ったわけでもありません。)




口の動き、特に唇を見ながら相手が何を話しているのかを知ることによって耳が少し聴こえなくてもなんとか上手に対処してきたようです。




ところが、全ての人がマスクを日常的に付けるようになった今、読唇術を使うことが全くできなくなってしまいました。




マスクを付けている相手の声が思いの外聞き取りにくい自分に初めて気づいたのです。




「ああ、実は人の声ってあまり聞こえていなかったんだなぁ。人の唇を見ながら自分は理解していたのだ!」




思い知りました。




私よりも聴力の弱い方々が多くいらっしゃると思います。その人たちは、おそらく私よりかずっとご苦労が多い事と思います。




私の勝手な予想ですが、この先新型コロナウイルスがきちんとおさまっても変わらずマスクの常備は続くのではないかと思っています。




様々な障害をお持ちの人がもっと暮らしやすい世の中になりますように。




また、私を含めて少しでもどこかに障害を持つ人は広く公言することによって、理解を深めてもらう事も大切であると感じています。

ファジー

空と海の境界線があいまいな様子はなんとも不思議で趣深いものです。




ファジーな感じがとても好きなのです。




毎週のように海に釣りに行っていた頃は、そんな景色にしばし見とれていたものです。




防波堤の上で時間に身をまかせながら、ふんわりとしながら、そのひとときをよく楽しんでいました。




それはどんものにも代え難いほどの、とても贅沢な時間でした。




今朝、緑と黄色の境界線をあいまいにしたファジーな和菓子をお店に並べました。








餅米由来の道明寺製、中は備中白小豆こしあんです。




海にはさまざまな表情があり、それぞれとても魅力的であります。




朝焼けに優しく海面を照らす、あけぼのの表情。日中のギラギラした海面のまぶしさも好き。夕焼けに海の色を赤く染める景色もたまらなくいいものです。




静かな夜の凪の音も心を落ち着かせてくれますし、雨滴る日の真っ黒な海もそれはそれで愛おしく感じます。




海に出かけた時には、視覚、嗅覚、聴覚を総動員しながら思う存分海に抱かれるようにしています。




私は本当に海が好きなんだなぁ、とこうして文を書きながら今そうあらためて感じています。




考えてみると海にずっと行っていないな。




久しぶりにゆっくり時間をつくって海にファジーに溶け込んでみたい。




そう決意した金曜日の朝です。