松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



五十肩

一昨日に一人で水族館へ行ってきました。




3時間ほど楽しんだのですが、なぜかその時ずっと両手を腰の後ろで組んで見て回ったのです。




さ、外に出ようと思って歩き始めると、右肩が猛烈に痛くなり、痛みで右腕が上がらなくなってしまいました。車の運転までもがままならないほどに。




これが五十肩というものなのでしょうか。それとも柄にもない上品なことをやってしまったバツなのでしょうか。




老いというものを強烈に知った今日この頃であります。




本日ご紹介の和菓子は「きび羹」。








2種の錦玉を流し合わせた松屋長春の定番商品です。




写真にも写っていますように、包丁が通った跡までもが美しくなるように留意しながら仕上げております。




この和菓子の最大の特徴であるモチモチの食感をお楽しみいただけましたら幸いでございます。

2週間毎に

羽二重餅の焼印が「金魚」から「アサガオ」へと変わって1週間が経ちました。








焼印を変えて2週間程度販売を続けましたら、また次の焼印へと変わっていきます。




2週間で変わると言うことは単純計算しますと一年で24種類の焼印でのご提供となるのですが、それとは別で特別なご注文などに使う焼印を合わせますと、一年で約30〜35種類の焼印を使っていることになります。




これは、純白で極々シンプルな羽二重餅に焼印を施すことによって、お客様に日本の四季やその時々の行事ごとをつぶさに感じていただきたい、という私たちの思いが込められたものであります。




「ああ、そろそろそんな時節に差し掛かっているのだなぁ。」だとか、「次の焼印はなんだろうなぁ。すごく楽しみ。」などと色々と思い巡らせていただけましたら幸いでございます。




松屋長春の羽二重餅はこれからもずっと。季節とともに、お客様とともに歩んでまいります。




あ、父の植えたアサガオ。一輪だけですが大輪の花を咲かせましたよ。





緑と白

田んぼに水が張られ、ああ、今年も田植えが始まったのだ、と気づいて物思いに耽っていたのも束の間。




かよわかったあの稲苗も青みをどんどん増して立派になってまいりました。




膝丈くらいになったでしょうか。この時節の田んぼの姿の一番の見どころは白鷺(シラサギ)の飛来ではないでしょうか。




早朝から夕暮れまで、長い時間を田んぼの中で過ごすシラサギ。




目にもたくましい濃緑の稲とあれ以上の白はないと言えるほどの純白のシラサギとのコントラストは私の毎年の楽しみの一つでもあります。(田んぼという泥ん中に一日中入ってるのに、あの純白さって不思議だよな〜。茶色になってもおかしくないと思うんだけれど。)




シラサギは近くでなかなか撮らせてはくれないので、上手に撮れませんでしたが、私のふるさとの景色を数枚写真に収めました。




















これから先、稲の背丈がもっと高くなりますと、いつもいるはずのシラサギの姿が隠れて見えなくなってしまいます。




もう少し、今しばらくの間はこの素晴らしいコントラストを楽しみたいと思っております。




もう一つの私の楽しみ方があります。




それは夕暮れから夜にかけてシラサギが自分の巣へ帰っていく姿を見ること。




その時分に空を見上げてみてください。




「キャッ!キャッ!」あるいは「ギャッ!ギャッ!」と大きな鳴き声をあげながら一生懸命に彼女たちが飛ぶ姿を見つける事ができると思います。




和菓子職人である私の「今」という季節を感じるアンテナの張り方、感じ方が少しわかっていただけましたでしょうか?




私はおそらく人とは違ったところに反応する変人のような人間かもしれません。いや、完全に人と視点が違うと自分でもそう思っています。笑




でも、とても心地よい自分がいます。そんでいいのだと。




人生の生き方、見つけ方。それは十人十色。




そんな風に感じながら、毎日ちょっと変わったところにアンテナを張りながら生きていきます。




人とおんなじでは面白くない。




そんな心意気で。笑




追記ですが、4枚の写真の中の一枚目が私のお気に入り。ちょうどエサを獲るところの写真です。




じーっと携帯電話のカメラを構えて待った甲斐がありました。