松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



オトシブミ

本日は国府宮神社にて月に一度の茶会の日。




その茶席でお使いいただきます、「落とし文」を娘と二人で先ほどお届けしてきたところです。












この「落とし文」ですが、お店でも販売をいたします。お時間ございます方はお店までお越しくださいませ。




ここで「落とし文」のご説明を少し。




オトシブミという昆虫をご存知でしょうか?




オトシブミは背中が朱色の甲虫であります。彼らは植物の葉に卵を産むのですが、一枚の葉に一つだけ卵を授けて葉を噛み切って丸めて地面にポトリと落とします。




地面に落ちた丸められた葉の中で生まれた幼虫は、その葉を食べて育ちます。




一番安全で安心できる種の存続法である事を進化の過程で見つけ出したのかもしれませんね。




オトシブミが落とした葉を人が密やかに書いた恋文になぞらえて出来上がったのが和菓子の「落とし文」であります。




こなし製の緑葉に口溶けのよい北海小豆のこしあんを合わせました。




うっとりするようなロマンティックな初夏の和菓子です。