松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



生涯現役

ご存知の方も多いかもしれませんが、20年ほど前にブエナビスタソシアルクラブというキューバの忘れられたミュージシャンにスポットを当てたドキュメンタリー映画が上映されました。

こちらがその映画のDVDです。

私のお気に入り映画で、ラテン音楽にどっぷりと浸かったのももしかしたらこの映画がきっかけだったのかもしれません。

余談ではありますが、この映画のサウンドトラックはグラミー賞も受賞しております。

心のこもった、どこまでもピュアな歌声にキューバならではのレイドバックなサウンドも相まって一瞬で虜になったのを今でも鮮明に思い出します。

上映当時にはすでに随分高齢のミュージシャンもいました。

今回はその続編でしたので、彼らのそのあとを映像で追ったものとなっていました。

全国でも上映館が特に少ないことから、名古屋まで赴いて観てきたところです。

伏見ミリオン座

初めての訪館かもしれません。

コアなお客様も多く大盛況でした。小さな映画館でも色々工夫することで多くのお客様にご支持いただけるのだととても勉強になった次第です。

今回の続編には特筆するような映画の内容ではなかったような気がしますが、ただ一つだけ心に強く響いたものがありました。

それは生涯現役。この一言です。

ミュージシャンの中でも特に四人にスポットライトを当てていましたが、その四人のうち既に三人は亡くなっています。その三人は亡くなる数日前まで舞台に立っていたそうです。

残る一人、オマーラ ポルトゥンドは今も現役で歌い続けています。彼女も亡くなった三人と同じく死ぬ最後まで舞台に立ちたいと映画の中でそう言っています。

これはどうして私に強く響いたかと言いますと、父も常に同じ事を言っているからです。

「俺は婿として松屋長春に来てこうして仕事をしているけれど、これが間違いなく天職だと思うしこの仕事が心から好きだ。自分が死ぬその時まで現役でいたい」

生涯現役。言葉で綴ると簡単な事のように聞こえますが、自分の仕事が心から好きでその上相当な覚悟がなければ言えない言葉であると思います。

そんな父のそばで一緒に仕事をしていられる私は本当に幸せであると思います。

キューバのミュージシャンたちも父も生涯現役と言いながらも全く気負いがなく、極自然で全てを理解し受け入れているような穏やかな顔をしています。

私も同じようにこの先進みたい。そんなカッコいい人間でありたいと思っています。

しかし、その域にたどり着くにはまだまだ若輩者です。しっかりと精進してそんな穏やかな晩期でいられたらと思います。

喜びと覚悟を持って生涯現役を宣言できる人、私はこころから尊敬いたします。