松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



シンプルな図案の菊

本日ご紹介いたしますのは羽二重餅製の生菓子です。



光琳菊と名付けてお店に並べています。

昨年も光琳菊の生菓子をご紹介した際に、このお話をしているかもしれませんが。

光琳菊の光琳とは江戸時代を代表する尾形光琳のことです。この尾形光琳がデザインした光琳菊からこの和菓子は出来上がっています。



余分なものを一切排除したシンプルなデザイン。

菊の花をこのように一筆で描くところに巨匠の凄みがあるのかもしれません。また、このようなシンプルな図案が後世にもずっと広く使われるところに尾形光琳という画家の偉大さが垣間見られるのではないかと思っています。

一般的には織部薯蕷という和菓子にこの光琳菊は採用される事が多いと思います。松屋長春では今年はこの羽二重餅で光琳菊を表現しました。

この生菓子を手に取っていただく際にそのような背景なども知っていただけましたら、味覚までも変わってくるのではないかと考えます。