松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



若みどり

が美しい頃はあっという間に過ぎ去ります。

一年間をこの素晴らしい一瞬に捧げているかのようです。

桜には刹那の美しさがあり、日本の国花たる理由がわかるような気がします。

余談ですが、日本の国花は実は2つあります。桜ともう一つは菊であります。菊は皇室の御紋章としても用いられているように、古くから日本にとって欠かせない花であった事が伺われます。

桜、菊ともに日本にとっては削る事のできない花であったため異例の国花二つとなったのかもしれませんね。

桜は花筏の頃を迎えますと、一斉に枝に葉を広げるようになります。同じ頃、桜と同じように枝に葉をつけ始めますのが藤であります。

どちらの若芽も緑色といっても黄色の強い薄緑色で、生命の力強さを感じさせてくれます。

また春の緑は真夏の緑とは違い、目にとても優しい色合いをしています。

山も遠くから望むだけで新緑の春色をしているのがわかり、それだけでとても気持ちいいものです。

私が一番大好きな春の緑はもみじの若芽の色です。優しいもみじの緑がゆらゆらと風に揺れるのを眺めるだけでとても幸せを感じるものです。

前置きが長くなりましたが、





外郎製の生菓子です。



今の時期、これこそ刹那の生菓子だと思います。