松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



火炎瓶のかわりに花束を

人を感動させ、人の心を激しく揺さぶる。

それには何の理由もありません。ただ出会った時、瞬間的にそれは訪れるものです。

ここ最近、私の心を強く動かしたもの。

それがバンクシーです。



本を買ってしまいました。

バンクシーの作品全てではありませんが、世界各国で彼が描いたもの、そして彼のメッセージや考え方なども少しばかりではありますが垣間見ることができます。



「火炎瓶のかわりに花束を」

これは私が勝手にこの絵に名を付けたものです。

もともとの図案は怒りに任せた青年が火炎瓶を投げる。そんな姿だと思います。

モノトーンの青年にカラフルで美しい花束。

相反し全くマッチしないものを見事に同化させて平和な世界を願う素晴らしい絵へと昇華させています。

この絵を初めて見た時、私の中に衝撃が走りました。

見る側に語りかけてくるメッセージが物凄く強い。

また、受け手に平和とは何かを深く考えさせてくれます。

バンクシーはウォールペイント、つまり壁に落書きというものを基に活動を始めています。

当然、社会のモラルやマナー、ルールを無視した行動は非難されなければいけない行為であります。しかし、その範疇を超えた彼独特の強いメッセージがあるからこそ、多数の人々から賞賛されている理由ではないかと私は考えています。

せっかくなので他の絵も。



ゴミのポイ捨てが多い道なのでしょうか。

もともとあった壁の色や模様をそのまま上手に使った構図で、見る者に強いメッセージを投げかけています。



パレスチナ自治区の壁にに彼が描いた絵、二枚です。

がんじがらめで窮屈な世界からの自由。それを願い、祈るメッセージが存分に込められた絵ではないでしょうか。

危険をおかしてまで活動する彼の原動力は何なのか。私たちは今一度、しっかりと彼のメッセージについて深く思い巡らす時がすぐそこにきているのかもしれません。

今まで絵を見て感動した事は幾度もありましたが、強いメッセージとして絵を受け止めた事は一度たりともありませんでした。

声高らかに訴えるメッセージや文章による言葉のメッセージよりも静寂なる一枚の絵から伝わる強いメッセージにとても感銘を受けております。