松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



シンプルこそ美しい

紅色に染めた備中白小豆こしあんを羽二重餅の生地で包みました。



ほんのりと紅色が透けて優しい色合いに仕上がりました。

そして頂にはもみじの焼印を軽くおして。

私はシンプルこそ美しさの極みであると常々考えております。

色や形や説明を極力省くことによって、受け手の想像力をかき立てるのだと信じているからであります。

和菓子も料理も人間もおんなじ。

あれやこれやと手を加えていくほど猥雑なものになり、和菓子や料理が薄っぺらいものとなってしまいます。

和菓子や料理はやはり素材そのものを生かし、味覚において極限まで追求するのはもちろんですが、外観はあまりいじらずにシンプルに仕上げる事を私は好みます。

しかし自分自身はなかなかシンプルにはいかず、たまに雑念が頭をよぎり、同じリズムを刻む事ができない時があります。

まだまだ精進が足らない事をそんな瞬間に知ります。

和菓子も料理も人間も。

ぜんぶおんなじ。

シンプル イズ ベストです。