松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



正月を実感する音

和菓子の中で落雁というジャンルがあります。

神社仏閣などを中心に昔はよく使われていたので、ご存知の方は多いのではないでしょうか。

落雁は私の業界用語では押物と言います。原材料は餅米を由来とする寒梅粉と砂糖が主なものであります。

押物(落雁)とはまた違った呼び名でつくる和菓子に打物があります。

打物は押物とは全く違い、和三盆糖が原材料となっています。

お店により粉糖や片栗粉などを混ぜる場合もありますが、やはりこの打物は和三盆糖100%が間違いなく美味しいと断言できます。

食べ比べてみますとその味や香りに大きな差があることがわかります。

夜にお店を閉めてから年末年始に向けてこの打物をせっせと打っているところです。

紅白梅

大鳴鈴

福俵

六角松

松ぼっくり

寒雀

色々とご用意しているところです。

静まり返った一人の仕事場に木型を打つ音が響きます。

夜な夜なこの木型を打つ音が響き渡るようになりますと「ああ、今年も正月の準備がまた始まったのだなぁ」と実感するわけであります。