松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



毎年恒例の

らっきょう好きの父からの依頼を受け、今年も漬けることになりました。

毎年恒例のらっきょう10キロ漬けです。



仕事が終わってから綺麗に水洗いし、はがれてしまいそうな外の皮を取り除きます。



綺麗になったらっきょうを瓶に分け入れて塩水に漬けます。

二週間程度、このままかき混ぜながら発酵を促します。

10キロのらっきょうを漬けるとなると、結構な重労働。また非常に手間がかかるので、毎年父から頼まれると正直なところ気乗りがしません。

しかし、一旦作業を始めてしまうとどんどん気分が乗ってくるもので楽しくなってきます。

不思議ですよね。

なにより添加物などは一切使用しないので、スーパーなどで売っているものとは味の違いも歴然です。

らっきょう漬けは私の祖母の毎年恒例行事でした。よしこさん(おばあちゃん)のらっきょうの味は今でも忘れてはいません。少し琥珀色がかったあの色合いまでも鮮明に覚えています。

私が19歳の頃に亡くなってしまったよしこさん。結局、直接教わる事は叶いませんでしたが、よしこさんの優しい心に再び触れられるような、そんな不思議な感覚のある私のらっきょう漬けです。

「ふくよかだったよしこさんのふかふか膝の上でよく座らせてもらったな。」

このブログを書きながらそんな事を思い出して、なんだか泣けてきました。