松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
クラシックスタイル
レトロでクラシックなスタイル。古くから和菓子として確立されている織部薯蕷。
陶器の織部焼を模した和菓子として、この織部薯蕷は出来上がりました。
また、クラシックにはもう1つ意味合いがあります。
この薯蕷という生地は芋のコシの強さという特徴を活かして出来上がりました。先人たちの知恵はすごいですね。
芋に砂糖を混ぜ、練り上げていくとコシが一層強さを増します。そしてそこに粉を混ぜ入れて生地が出来上がります。それを蒸すとふくよかな自然のふっくらとした薯蕷ができるのです。
余談ではありますが、この薯蕷に使う芋は地方により千差万別。
関東では主に人の手の形をした大和芋。関西においてはまん丸の大きなつくね芋。
どちらの地にも身を置いていたからこそ、わかった事です。
さて、ここ中部地区では伊勢芋を主に使用しています。色々な芋を使って感じましたが、伊勢芋が中でも特別に強いコシを持っている事がわかりました。
今の織部薯蕷は蕨の焼印を施し、春を待ちわびるイメージで作っております。
しばらくの間はこのスタイルでのご提供です。