松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



花こよみ

本日は和菓子のご紹介を簡単に。




花こよみ

軽羹製
中は備中白小豆粒あんです。

ふんわりとした軽羹特有の軽いタッチが優しく感じます。

父と私の好みの色

松屋長春の和菓子は父、母、私の三人でつくっています。多くの種類を揃え、店頭に並べます。
そうしますと、次第に効率よく仕事ができるように役割を分担するようになりました。

それぞれの得意分野で能力を発揮し、店の商品が並んでおります。

もちろん、力がとても必要になるようなものは全て私。羽二重餅などの数を作らなければならないような商品は三人で協力します。

また、和菓子の色を決めるのは父と私。しかし、お互いの色の好みが違います。



銘  春の水
きんとん製ですが、父はこの配色はあまり使いません。

私の好みの色です。

面白いもので、お互いの好みの色や形が複雑に組み合わさって現在の松屋長春の和菓子たちが出来上がっています。
春はもうすぐそこに。

水も温んで小川を気持ちよく流れるようになります。小川のほとりには名もなき小さな花がポツポツと咲くようになります。

そんな情景を目に浮かべながら着色したきんとん。
今までの松屋長春ではあまり見かけない色でのご提供ですが、いい色合いで仕上がったと思っています。

花の舞

桜はソメイヨシノだけに限らず。

ソメイヨシノではない桜。私は詳しくないのでわかりませんが、八重桜のような幾重にも重なって咲き誇る桜の種は今が満開となっています。

それはそれで可憐でとても美しいものでした。




銘   花の舞

外郎製。中は備中白小豆こしあんです。
春風そよぐ桜並木の桜の花をイメージしてつくりました。



暖かな陽気のもと、優しく風に揺れる桜びらは美しいものです。

桜は春先にまず花たちだけが隆盛を極め、人々の目を楽しませてくれます。

その後で、目にも優しい新緑の若葉が一斉に芽を出します。若緑に揺れる桜の木というものも私は穏やかに感じ、とても趣深く感じています。

桜は花を愛でる事が昔より人に広く知られていますが、この若緑の時期も見逃せません。

今年は桜を二度に分けて鑑賞したいものです。