松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



紫色の難しさ

おはようございます。




藤の和菓子が出てまいりました。

羽二重餅製
中は丹波春日大納言小豆の粒あんです。


紫色に着色をする際、最も私は気をつけます。

例えば黄色や青、赤などの色は着色の際に気をつける事と言ったら濃淡のみに注意すればいい事です。

しかし、緑や紫など色同士を混ぜての着色には慎重にならなければ思ったような色合いにはなりません。

緑色はまだまだ簡単です。黄色勝ちになるのか青勝ちになるのかにのみ注意を払えば良いからです。

しかし、紫色の着色には手こずります。紫色は青、そして赤を入れてもお互いが相殺され、なかなか着色できません。その上、青勝ちになるのか赤勝ちになるのかにも気をつけないと思った通りになかなか着色できません。



思った通りの色合いになったと思います。

また、人によって好みの紫色のイメージが違う事も紫色の難しさに拍車がかかっていると考えます。

赤みがかった紫が好きな方。青みがかった紫が好きな方。人の好みは様々です。

今日は着色の難しさについて少しお話させていただきました。