松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



一年に一度だけ

いちご大福など、餅生地にフルーツを入れたスイーツは今や国内でも定番のものとなってきました。

松屋長春では一年で一度だけこのフルーツを入れて羽二重餅をつくります。

それは地元の中学生が職場体験に来てくれた時だけ。最終日に一生懸命働いてくれた御礼として持ち帰ってもらうものとしてつくります。これは当店の決まりとしているもので、毎年の恒例となっています。

今年は稲沢西中学校と治郎丸中学校の女子生徒2人ずつ、計4人が三日間手伝ってくれました。

とても明るく可愛い子たちばかりなので写真を出したいところですが、難しい事の多いご時世となりましたので、手元だけの撮影としました。


皆でフルーツを用意してもらいます。



今回はぶどう、パイナップル、メロン。




あんで包んで下準備終了。





フルーツの入った羽二重餅もそれぞれ自分で作ってもらいます。




仕上がりました。



この自分で作ったフルーツ羽二重餅を家族に振る舞いながら、松屋長春で取り組んだ事柄を楽しく話し合ってもらえたら嬉しいです。

この三日間は皆で食べる昼食も私がつくるようにしています。

家族、パートさん、アルバイトさんたち、そして中学生たちと全部で毎日15人前ほど用意します。





一日目はこの間、少しお話しましたカレーライス。結局三日かけて仕込みました。





二日目はオムライス。




最後の日は焼きそば。

毎日の家族の料理担当は全て私ですが、さすがに大人数の用意はスタミナを随分消費しました。

しかし彼女たちも喜んでくれ、またいつもはお昼はおかずを取り寄せて食べているパートさん、アルバイトさんたちにも喜んでもらい、とても幸せな気分にさせてもらいました。
毎年、職場体験のご依頼を受けているのですが、学校からの依頼と言えどこちらも貴重な戦力となり、本当に助かる事が多いのです。

しかし、アルバイト代もない。弁当も持ち込みとなるとなんだかとても寂しいなって最初思いました。
そんな思いもあってこのフルーツ羽二重餅と昼食の御礼をする事にしたのです。

三日間ととても短い期間ではありますが、それぞれの人となりを垣間見る事ができ、心が通じ合うようになる喜びを知ります。

こんなご縁を何年も続けていくと、中学生の時に職場体験させてもらったと大きくなってから伺い聞く事も多々あります。
そんな時、やはり職場体験の制度はとても良いものなんだと再認識する事になるのです。

今年お世話になった4人の方々、また必ず遊びに来てね。私たちは首を長くして待ってますよ。