松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



錦の秋です

村雨製の蒸し菓子をドロップしました。



村雨とは突然強く降って止む雨の事。群れた雨を「むれさめ」、そこから変化して「むらさめ」となったようです。

このようにあんをそぼろ状にしたものを和菓子界では村雨というのですが、こう説明を書きましたら皆様にも合点していただけると思います。

メッシュの違う「通し」で通したあんを押し固めて蒸し上げました。

和菓子銘は「深山の錦」と名付けてお店に並んでおります。

紅葉の赤、黄、緑色の美しいグラデーション。そして刹那のうちにひらひらとその美しい葉たちが舞い落ちて今度は目にも鮮やかな絨毯を私たちに届けてくれます。

そんな景色を思い浮かべながらつくりました。

いよいよ晩秋、そして冬へと向かっていく季節です。自然が織り成す芸術を今年もこの目に焼き付けておきたいと思っています。