松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



三女の卒業に思いを寄せて

三女の卒業式に参列してきました。



卒業に関してはさほど特別な感情はなかった父です。と、いいますのも三女はこの先四年制の大学への進学が決まっておりますが、今までとなんら変わりなく家からの通学だからであります。

しかし、これまで一生懸命取り組んできた毎日の娘たちのお弁当づくりが終わってしまい、フッと緊張感が無くなってしまった事で、なんだか張り合いまでも失せてしまったような気がしています。

これが、なんとかロスというものなのかもしれません。

振り返ってみますと、娘たち三人の思い出は尽きません。

赤ちゃんの頃から毎日欠かさず一緒にお風呂に入ったこと。思い返してみますとこの娘たちとのお風呂が一番の思い出かもしれません。娘たちとのお風呂の時間は父親である私の母性ではなく父性を確認できた日課でもあり、自分自身への最高のご褒美でもありました。

三人とも生まれた時は手のひらから少しはみ出るくらいの大きさで、手のひらに包み込んで仰向けにそーっとお風呂に入れると手足をバタバタとさせて驚いた表情を浮かべたものです。三人まったく一緒の反応。赤ちゃんはみんなそういった反応なんでしょうね。これが可愛いくて可愛いくてたまりませんでした。

離乳食もオムツの取り替えも繰り返し繰り返しやりました。

伊吹山へ登山した時には途中でへこたれる娘たちを抱えて山頂まで登った事も今では懐かしい思い出であります。あれは本当に辛かったなぁ。

私はいつも人に笑ってもらう事に心血を注いでおりますが、娘たちに対しても一緒です。今でもどうやって笑ってもらおうかいつもいつも頭を捻らせています。

そんな彼女たちも大人になり、一人そして二人と社会人になっていきます。

三女は私の中では最後の砦。いつまでも手元に置いておきたい気持ちはありますが、この先四年間を過ぎたらお姉ちゃんたちと同じように社会へと旅立っていきます。

もう少し。もう少しの間は天が私に与えてくれたこの宝物たちと一緒に毎日を過ごしていたいです。

これが私の一番の心からの願いです。

三女の卒業に思いを寄せて、こんな事を念じてしまいました。

一人立ちは早い方がいいに決まっています。でも、父親の心は裏腹なものです。

娘よ、卒業おめでとう。でも、もう少しパパと一緒にいてください。

これから、もう少しの間パパをどうぞよろしくお願いします。