松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



現代の私たちにぴったり

先日、羽二重餅の焼印「巻水」のご紹介をしました。

ご紹介した際、水の焼印の図案は他にもございますとおはなししたことと思います。

羽二重餅の焼印を「巻水」から「青海波」へと変更しました。

青海波は「せいがいは」と読みますが、私の修行先である京都の末富では「せいかいは」と読んでいました。おそらくではありますが、どちらの読みでもよろしいのではないかと思います。



鱗のように見えなくもない波の紋様を3つ積み上げた図案となっています。

この青海波紋様は古代ペルシャから伝わってきたとされます。シルクロード伝いに渡ってきたのでしょうか。

日本に伝わり、その後国内に広まったのは平安時代の事と言われています。

そのうちこの青海波紋様には意味が付いてくるようになりました。

それは

無限に広がる穏やかな波に未来永劫と、平和な暮らしへの願いを重ねて」

であります。

穏やかな海の姿を波立つことのない平和な世の中に重ね合わせたのでしょう。

とてもステキな意味合いをもらったこの青海波紋様は現在では吉祥紋様の一つとして数えられています。

新型コロナウイルスをはじめ、毎年天災にも悩まされ続けている現代の私たちにぴったりの紋様だと思いませんか?

青海波紋様の焼印は、そんな願いを込めながらこの先しばらく押し続けていきたいと思っております。