松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



バトン

昨日は父が会合、次女と三女は二人で東山動物園に出かけていて、夜ご飯は母と二人でした。

はっきり覚えていますが、母と二人っきりで食べた夕飯は三、四年前に行った焼肉屋さん以来のことです。

夕飯は私が味噌煮込みうどんをつくりました。

二人でビールを飲みながら楽しく語らい合った幸せの夜でした。

母は私たち三兄弟が小さい頃から世界中のどんなお母さんよりも深く、熱い愛情を持って育ててくれました。

決して余裕のある精神状態ではなかった母でしたが、海よりも深い愛情を持って育ててもらった事は死ぬまで忘れません。

母が私に与えてくれた愛情はそのまま娘たちにも注がなくてはならないもので、それがしっかりとできた暁には私の孫へと同じようにしっかりと伝わるものであると思います。

愛情、教育、思想などは親から子へ、子から孫へと受け継がれるものです。

先日、松屋長春のブログを読んだ娘から「らっきょうが出来たら私の家に送って欲しい」との依頼があったので、昨日出来上がったらっきょうを東京に送りました。

思い出のよしこさん(おばあちゃん)のらっきょうです。



このらっきょうは祖母の味を思い出しながら毎年私が一生懸命つくったものです。結局のところ、私が幼過ぎて祖母から直接教えてもらうことは叶わなかったのですが。

和菓子づくりも料理もこのらっきょうも、この先娘へとバトンが渡されることと思います。

両親が私たち息子にしてくれたように、海よりも深い愛情と情熱を持ちながら娘たちにこれからも接していきたいと誓った夜のことでした。