松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



夏の終わりには

夏が終盤に差し掛かり、秋の足音が聞こえてくる時期となってきました。

と言いましても、全く秋を感じさせるような気温ではなく、今が夏のピークではないかと思うほどの猛暑日が続いております。

そこで、先日まで羽二重巻の中心を担う備中白小豆粒あんの色をグリーンから涼しげなブルーへとシフトチェンジすることにしました。



実際に羽二重巻に仕上げてから写真を撮りますと、なかなかその淡いブルーを捉える事ができませんが。



昔の人の知恵や感性は現代人には持ち合わられないような繊細さがあり、一年を12に分け、それをまた半分にした二十四節気というものを設け、もっと細やかに分類したものを七十二候として季節の移り変わりを敏感に感じとる方法を確立しました。

しかし、現在はせっかく受け継がれてきたこの大切な知恵も大きな気候変動によって当てはまりにくい状況となってきてしまったようです。

こうなってしまった以上、暦を大切にしながらも自分だけの感性や季節を感じとるアンテナを駆使しながら表現しなければならないと考えています。

そんな時代になってしまったのが寂しくもあり、悲しくも感じる事であります。