松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



当たり前じゃないんだぞ!

当たり前である事を当たり前として受け止めている自分がいました。

今日もいつもと変わらず、丹波大納言小豆を炊いています。

父の時代はぎりぎりアウトかセーフかというところですが、祖父の時代は小豆を仕入れると、まずは石ころや形の悪い小豆を選り分けるところからスタートしていたようで、一日の仕事が全て終わり、夕食を食べてお風呂に入ってから小豆の選別をコツコツとしていたようです。

当然、あんを炊く機械もありません。大きな木ベラで炊き上がるまでつきっきりの作業が続きます。

蒸し器も自動ではなく、釜に水を貯めて薪に火をつけるところから始めなければならなかったようです。

ミキサーもないので、羽二重餅の生地も手で練っていたそうです。

今の私の仕事量に比べてやらなければならない余分な事が非常に多かった事、容易に想像されます。

また、クーラーや給湯器も無かった時代です。夏は当然猛烈な暑さに疲弊し切っていたでしょうし、冬の凍てつくような気温の中、しもやけだらけの手で洗い物をしていたことでしょう。

文明の発展とともに手間が省けたこと、時間の無駄が無くなったこと、楽に仕事をさせていただいていることをあらためて感謝しなければなりません。

創業者である祖父のパワフルで活力たっぷりの牽引力のおかげで現在の私がいられることを幸せに思わなければなりません。

当たり前じゃないんだぞ!

祖父から父、そして私へとバトンが渡されていくうちに徐々に一生懸命さが薄れていってはいけません。

そんな確認を自分の中で頻繁にしよう。そして娘にもしっかりと伝えていこう。

今日は朝からこんな事を真剣に考えていました。



さ、ガンバルぞ!