松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



ひめ

「姫椿」と銘打ってお店に並べました。



ぷっくりした形状と薄紅色の優しい色合いが姫を連想させるようです。

姫椿とは山茶花の別名であります。

そろそろ山茶花の花が隆盛を極める頃ですね。

山茶花の派生であり、旧稲沢市の市花であるベニサザンカもちょうどこれから真紅の花を咲かせる頃となります。

この姫椿、外郎製で中は備中白小豆こしあんです。

外郎製とご説明しますと、結構な頻度でお客様から敬遠されてしまいます。

私にはそれが何故なのか、全くわかりません。

京都の修行先では、この生地のことを団子生地などと呼んでいましたが、余計にどんな生地なのか想像もつきにくいかと思います。

やはり、外郎製と言うより他の呼び名は思い浮かびません。

外郎製の和菓子は、まず一年を通してつくることができるところがまず一番最初に挙げられる特徴ではないかと考えています。

夏は冷蔵庫で冷やしてもかたくなりにくいため、冷蔵庫で少しひんやりさせてから食べると涼しげで美味しい。

冬の寒い時期にもやはりかたくなりにくく、粉を纏わせるとやわらかな風合いに仕上がり、あたたかい印象をを受けます。

私個人的には外郎製の和菓子はいいところがたくさんあって、美味しいと思うのですが。

作り手、売り手のオススメと受け手、お客様のお好みには少しズレがあるのかもしれませんね。

このズレをできるだけ埋める努力をするのも私の大切な役割ではないかと考えます。