松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
しぐれ
卵を使った和菓子界で「時雨」という生地の蒸し菓子がお店に並びました。
栗を模した和菓子です。
中は柔らかなこしあん。実際に栗は入っておりませんので、お間違えのないようお願いいたします。
前にも書いたかどうかわかりませんが、私はなぜこの生地が「時雨」と呼ばれるのかはわかりません。
東京時代の恩師か、それとも和菓子の生き字引と言われる京都時代の旦那さんに一度聞いてみたいものです。
「時雨」の本来の意味は晩秋から冬にかけて一時的にパラパラと降る雨のこと。
しかし、そのような雨の様子は正直なところ私の中では全くイメージができていません。
「そんな時期に時雨と言われる特有の雨ってあったっけ?」
そんな感じです。
夏に一斉にセミがG Gと鳴き始めますよね。そのことを「蝉時雨」と言うのですが、やはりこの雨に関連付けてそう呼んだのでしょう。
じゃ、「しぐれ煮」はどうなんだろう?
どうやってもあの雨に例えることはできないよな。
思い巡らせ、色々と思案を深めることはとても楽しい。
ですので結果は出なくともそれはそれでいいと解釈している私です。
最後に「しぐれ煮」と「佃煮」の違いってご存知ですか?
生姜を入れているかいないかで呼び名が変わるんです。生姜が入っているのは「しぐれ煮」です。
ああ、アサリのしぐれ煮が食べたくなってきた。
アツアツのお茶漬けにして、てっぺんにアサリのしぐれ煮をのせてサラサラ~と食べたい。
和菓子のご紹介を書いたつもりなのに、いつも話が脱線してしまい申し訳ございません。
本日は和菓子の「しぐれ」のおはなしでした。