松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
末富会
7月31日の日曜日。ちょうど一週間前のこと。
私の修行先である末富の「末富会」へ行ってまいりました。
3年ぶりの開催です。
旦那さん、奥さんに久しぶりにお会い出来ること。また社員の方々、そして修行時代をともに過ごした先輩後輩に会えることをずっと楽しみにしていました。
2時間半から3時間あまりというごく短い「末富会」の時間の中、たくさんの人たちと懐かしい話に花を咲かせました。
私が特に心に残ったのは、やはり旦那さんの挨拶。
テレビや雑誌では旦那さんにはよく会ってはいましたが、実際に旦那さんの姿を前にお話を聞くのは本当に久しぶりのことです。
和菓子を愛する気持ち、和菓子を深く深く知り掘り下げたいという探究心。旦那さんの湧き上がる思いがダイレクトに伝わってきて胸が熱くなりました。
涙が溢れるのを抑えながら話される旦那さんをとても愛おしく感じました。
会の終了間際、旦那さんと奥さんが「一度行ってみたい」と仰られていた愛知県豊田市へお連れする約束を交わしてお別れしました。
その日、私は修行仲間と一緒に京都のホテルで一泊しました。
私が末富にいた頃、修行仲間は全員同じ寮に住んでいましたので寝るのも一緒、食事も一緒、仕事もプライベートも全部一緒でした。
家族兄弟同然です。
みんなが久しぶりに寝食を共にしたのですから話は尽きるはずもありません。
夜遅くまでたくさん話し合い、たくさん笑い合いました。
別れ際にはとても寂しい気持ちに包まれたのは言うまでもありません。
再会を誓い合って別れたところです。
このブログを書いている今もあの京都の二日間の余韻が残っています。
会えなかった仲間、社員さん、職人さんもいました。また、お別れしてしまった方たちの事も鮮明に思い出しました。
長き人生の中のたった数年の修行時代ですが、私にとってとても濃密な時間であったと、あらためて感じた「末富会」でした。
今はもう感謝しか残っておりません。
ありがとうございます。ありがとうございました。
最後にあの夜、私が撮った鴨川の写真を載せます。
やけに美しく見えた鴨川でした。
しとり
和三盆糖100%の「ほほえみ」を打っております。
「ほほえみ」は松屋長春の代表菓でもあります。
和三盆糖はとってもデリケート。
ちょうど今のような湿度の高い夏場に私たちの業界用語である「しとり」(しとりとは水分のこと。)つまり、水分を多く入れてしまうと口溶けが悪くカチカチに仕上がってしまいます。
また逆に湿度の低い冬の時季に「しとり」が少ないとほろほろと崩れてしまうような優しすぎる仕上がりになってしまいます。(本当はそれくらいのほうが口溶けが良くって美味しいのですが。しかし、それではお客様にお売りできるような仕上がりにはなりません。「しとり」を全く入れない製法が確立されたらそれが一番の理想形なのです。)
本日も細心の注意を払いながら和三盆糖と向き合いたいと思います。
水分補給が肝心です
おはようございます。
暑い日が続いております。
息子(娘婿)は今朝も丹波大納言小豆を釜で焚いています。
すでに仕事場の中はサウナのようになっています。
釜に加え、ボイラーからも湯気がモンモンと立ち昇っています。
そして私はこれからオーブンでカステラを焼き始めます。
3ヶ所で点火しますと、それはそれはタイヘン。
水分補給が肝心です。
今日も一日、健康でまいりましょう。