松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
花いかだ
先週に続いた雨で桜の花たちは全て舞い散ってしまったのだろうか。
桜の姿を見ていない私には想像することしかできませんが、感覚的にそうであろうと感じています。
桜には散った後にも次の大きな魅力があります。
その姿には「花いかだ」と特別な呼び名がつけられています。
川面にひらひらと舞い落ちた桜花たちは川の流れに身をまかせ、長い長い列をなして下流へと静かに進んでいきます。
そのような風情ある景色に特別な美を見出した先人たちが「筏のように浮かんで流れる花」と形容したのです。
非常に前置きが長くなってしまいましたが。。。
本日は初めてつくった新作「花いかだ」のご紹介です。
変わらぬ気持ち
早いもので娘が帰ってきて2年という月日が過ぎました。
その間に結婚があり、私にも大切な息子ができました。
そしてついこの間、5代目となる孫が誕生しました。
本当にあっという間の事です。
私が2年前に書いた全文をあらためて載せました。
今もあの時の気持ちが全く変わる事はありません。
【長女のあづきが18歳で我が家を出て、ちょうど五年。
そのタイミングで和菓子の勉強、心の鍛錬を終えて松屋長春に戻ってくることになりました。
本日より松屋長春で働きます。
五年間、娘をご指導くださいました皆様。本当にお世話になりました。
また、五年のあいだ、娘の心を支えてくださいました友人の皆さま、そして諸先輩の皆さま、本当にありがとうございました。
娘の近くにいつも寄り添って下さった皆々様のおかげ無くしては、こうして無事に元気に戻って来られなかったことと思います。
いくら感謝してもし切れないほどであります。
娘は両親そして私が学んで来たこととはまた違ったものを身につけて来たことでしょう。
身につけた「いいもの」を私たち家族や松屋長春で働くみんなにだけでなく、お客様にこそしっかりとお見せできるといいな、そんな風に思います。
まだ24歳弱と若く、至らない点も多いと存じますが、お客様におかれましても多くのご指導の程どうぞよろしくお願い申し上げます。
約30年前に私が修行を終えて戻って来た時のように、また松屋長春に新しい血が入ることになります。
松屋長春のこれまでとはまた違ったパフォーマンスが発揮できるのではないかと私自身、とても期待をしているところであります。
私たちの温かい家族の絆が、松屋長春の和菓子へと乗り移り、お客様の心の奥底へも届きますよう、新たな気持ちで頑張ります。
これからも変わらぬ応援をどうぞどうぞ宜しくお願いいたします。
追記ですが、長女が生まれた時に私たちがとても大事にしている小豆と同じくらい大切な大切な宝物として、娘の名前をあづきと付けました。
その彼女が高校二年生になったばかりの四月に「パパ。私、和菓子の勉強がしたい。将来は松屋長春を継ぎたい。」と言ってくれました。
とても嬉しかったことを今でも忘れません。】
本日の茶席菓子
本日は国府宮神社にて大きな茶会が催されます。
春と秋は特に盛大であり、松尾流、表千家、裏千家の三席が一堂に会します。
お使いいただきます茶席菓子をご紹介いたします。
道明寺製の「若竹」
羽二重餅製の「花いかだ」
そして干菓子(白雪糕と和三盆糖の打菓子)はテーマが「のどか」であります。
全て、松屋長春でも販売をいたします。
ご購入ご希望のお客様におかれましては、店頭にてお申し付けくださいませ。
尚、茶席の当日券は神社にて販売しております。お時間ございましたら是非お出かけください。