松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



レモンのうた

人の意識を覚醒させる果物「レモン」




詩人、高村光太郎が智恵子抄の中のレモン哀歌で「レモン」を取り上げています。




トパアズ色の香気、天のものなると表現した「レモン」を私はこの詩に出会ってから特別な果物として認識してきたように思います。




愛する妻との別れのとき。その一瞬をパッと明るく輝かせた「レモン」がとても神々しいものとして私の心の中にずっと残っているのです。




本日はレモンの果皮と果汁をたっぷりと含ませた「レモン羹」のご紹介にあわせ、「レモン」の事を少し書きました。








「レモン羹」をお召し上がりいただく際に高村光太郎のこの素晴らしい詩を合わせてお読みいただきたい。そんな風に思っています。

お客様との感覚の共有

羽二重餅の焼印が「かたつむり」から「もみじ」へとかわりました。








目にも優しい若緑色から、太陽の恵みを受けどんどん色味を深めていく「もみじ」の葉を、この純白の羽二重餅から感じ取っていただけましたら嬉しく思います。




羽二重餅は色形は通年全く変えておりませんが、焼印を施す事によってお召し上がりになるその刹那を感じ取っていただけるようにと考えつくり通しております。




つくり手である私たちの季節感、そしてお客様がお持ちになっている季節感をともに共有できましたら最高の幸せです。




そんなことをいつも考えながら取り組んでいます。

昨日は満開の「あさがお」の和菓子をご紹介した事と思います。




本日は昼下がりの「あさがお」の姿を切り取った和菓子をご案内いたします。




昨日も書いた事と思いますが、朝顔は早朝に花を咲かせ昼過ぎには花を閉じてしまいます。




この花の名前がついた理由がそれなのですが、蕾の姿をモチーフにつくっております。








冷蔵庫で少しひんやりとさせてお召し上がりください。