松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



礼節

少し前のこと。

世界柔道選手権大会が東京で盛大に開催されました。

一週間、ビデオ録画までして一生懸命観戦しました。

私個人の勝手な見解であるのでお許しいただきたいのですが、スポーツの中で一番感動を覚えるのはこの柔道なのです。

もちろん、オリンピックで生で観戦できるなら真っ先にこの柔道を選ぶでしょう。

ルールの改正があり、観客にとってもわかりやすくなったので余計に入門しやすい競技となったのではないでしょうか。

今回の世界選手権大会でも感動的な場面にたくさん巡り会えました。

特に涙無しでは観られなかったのがフランスのアグベニュー選手と日本の田代選手の一戦。お互いにライバルと認め合っている関係ですが、勝ったアグベニュー選手が涙しながら田代選手と抱き合い、お互いを労った姿が私の心を強く打ちました。

いつまでも心に残る素敵な関係だと思います。

この柔道の中で一番私の心を掴んで離さない選手がいます。

大野将平選手です。

どの試合も彼の一挙手一投足に注目しながら観ています。

キレのある鋭い動きと技は群を抜いています。

また、特筆すべきは彼の試合以外の所作です。

柔道が強いというだけではない節度ある姿があります。

自分自身を抑え、相手を敬う揺るぎない姿勢がとても美しいのです。

今回の試合も全てでそれを感じた次第です。

感激しながら全ての試合を余すところなく観ました。

よく、日本人は世界一お行儀の良い国民性であると言われます。

先人から受け継いできた素晴らしいDNAをいつまでも忘れずにしっかり守りたいと、今回の柔道の試合を観て感じました。

写真をご覧下さい。大野選手に付いているコーチまでもが同じように美しい礼をしています。

日本人の礼儀正しさ、心の美しさはこのようなところに溢れていると感じます。

なぜかこういった姿勢を見るだけで目頭が熱くなります。

礼節の美しさはただの礼儀だけにあらず。

自身の精神の安定に加えて所作の美しさもありましょうが、受け手が感じる感じ方が一番肝心なのではないでしょうか。

今回も柔道から、そして大野選手からヒントを多くいただきました。

仕事に、普段の生活に取り入れるべき私のお手本であります。